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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

伊勢の海の 深き心をたどらずて ふりにし跡と波や消つべき〜左方〈源氏側〉平典侍(へいてんじ)が、伊勢物語について語る🌊

伊勢の海の 深き心を たどらずて ふりにし跡と 波や消つべき 左方〈源氏側〉平典侍(へいてんじ)が、 伊勢物語について語る 〜伊勢物語の(海のように) 深い心を訪ねないで 単に古い物語だからといって 価値まで落としめてよいものでしょうか 次は伊勢《い…

うきめ見し そのをりよりは 今日はまた 過ぎにし方に 帰る涙か〜つらく苦しかった離れ離れの日々、紫の上の心持ちを哀れに思った源氏

うきめ見し そのをりよりは 今日はまた 過ぎにし方に 帰る涙か つらく苦しかった離れ離れの日々、 紫の上の心持ちを哀れに思った源氏 (紫の上に by 源氏の君) 〜辛い思いをしたあの当時よりも、 今日はまた再び過去を思い出して いっそう涙が流れて来ます …

一人居《ゐ》て 眺めしよりは 海人《あま》の住む かたを書きてぞ 見るべかりける〜須磨と都‥離れ離れになっていた時に描いた源氏の絵を見た紫の上

一人居《ゐ》て 眺めしよりは 海人《あま》の住む かたを書きてぞ 見るべかりける 須磨と都‥ 離れ離れになっていた時に描いた源氏の絵を見た紫の上 (源氏の君に by 紫の上) 〜私 一人 都に残って嘆いていた時よりも、 海人が住んでいる干潟を 絵に描いてい…

別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき〜前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。

別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき 前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、 美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。 (朱雀院に by 前斎宮) 〜別れの御櫛をいただいた時に 仰せられた 「京(みやこ)の…

別れ路《ぢ》に 添へし小櫛をかごとにて はるけき中と 神やいさめし〜朱雀院から贈られた櫛の小箱の造花に御歌が書かれてあった。

別れ路《ぢ》に 添へし小櫛をかごとにて はるけき中と 神やいさめし 朱雀院から贈られた櫛の小箱の造花に 御歌が書かれてあった。 (前斎宮の宮に by 朱雀院) 〜あなたを伊勢にお送りした時 「都の方に帰たもうな」と 別れの御櫛を差し上げましたが、 それ…

逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん〜弟の右衛門佐(小君)にも促され 空蝉は源氏に返事を書く

逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん 弟の右衛門佐(小君)にも促され 空蝉は源氏に返事を書く (源氏の君に by 空蝉の君) 〜(逢うという名の)逢坂の関は、 いったいどのような関なのでしょうか 生い茂る木々の…

わくらはに 行き逢《あ》ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ海〜右衛門佐(昔の小君)を呼び出して姉の空蝉に手紙を届けさせる

わくらはに 行き逢《あ》ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ海 右衛門佐(昔の小君)を呼び出して姉の空蝉に手紙を届けさせる (空蝉の君に by 源氏の君) 〜偶然に近江路でお逢いしたことで (逢坂の関‥「あふ」という言葉に) 期待を寄せていまし…

行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん〜逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥昔が昨日のように思われて心が乱れる

行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん 逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥ 昔が昨日のように思われて心が乱れる (by 空蝉の君) 〜行く時も帰る時にも逢坂の関で、 せきとめがたく 流れるわたしの涙を 絶えず流れ…

年を経て待つしるしなきわが宿は 花のたよりに過ぎぬばかりか〜源氏に対し返歌をする末摘花の姫君

年を経て待つしるしなきわが宿は 花のたよりに過ぎぬばかりか 源氏に対し返歌をする末摘花の姫君 (源氏の君に by 末摘花の姫君) 〜長年待っていた甲斐のなかったわたしの宿を あなたはただ藤の花を御覧になるついでに お立ち寄りになっただけなのですね 【…

藤波《ふじなみ》の打ち過ぎがたく見えつるは まつこそ宿のしるしなりけれ〜昔に比べて高くなった松を見て 長い年月と、逆境にいた頃を思う源氏

藤波《ふじなみ》の打ち過ぎがたく見えつるは まつこそ宿のしるしなりけれ 昔に比べて高くなった松を見て 長い年月と、逆境にいた頃を思う源氏 【末摘花の姫君に by 源氏の君】 〜松にかかった藤の花を 見過ごしがたく思ったのは その松がわたしを待つという…

尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を〜末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は 蓬の露に濡れながら姫を訪ねる

尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を 末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は 蓬の露に濡れながら姫を訪ねる (by 源氏の君) 〜誰も訪ねませんが わたしこそは訪問しましょう 道もない くらい深く茂った蓬の宿の 姫君の変わらない…

亡き人を恋ふる袂《たもと》のほどなきに 荒れたる軒の雫《しづく》さへ添ふ〜うたた寝した時の夢に亡き父宮をみて、名残の思いにとらわれる末摘花の姫君

亡《な》き人を恋ふる袂《たもと》のほどなきに 荒れたる軒の雫《しづく》さへ添ふ うたた寝した時の夢に 亡き父宮をみて、 名残の思いにとらわれる末摘花の姫君 (by 末摘花) 〜亡き父上を恋い慕って泣く涙で 袂の乾く間もないのに 荒れた軒の雨水までが降…

玉かづら 絶えてもやまじ 行く道の たむけの神も かけて誓はん〜末摘花の涙に侍従は涙でものが言えないほどになっていた。

玉かづら 絶えてもやまじ 行く道の たむけの神も かけて誓はん 末摘花の涙に 侍従は涙でものが言えないほどになっていた。 (末摘花の姫君に by 侍従の君) 〜お別れしましても 私は決して お見捨て申しません 行く道々の道祖神に かたくお誓いしましょう 【…

絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら 思ひのほかに かけ離れぬる〜乳母子でもある 大切な侍従が夫と共に九州に行くと知った末摘花の姫君

絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら 思ひのほかにかけ離れぬる 乳母子でもある 大切な侍従が 夫と共に九州に行くと知った末摘花の姫君 (侍従に by 末摘花の姫君) 〜あなたを 絶えるはずのない間柄だと信頼していましたが 思いのほかに遠くへ行ってしまうの…

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に〜前斎宮〈六条御息所の娘〉は、灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に 前斎宮〈六条御息所の娘〉は、 灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった (源氏の君に by 前斎宮) 〜消えそうになく生きていますのが 悲しく思われます 毎日…

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき〜霙と雪の荒れ日和に 源氏は、前斎宮の宮を気遣って手紙を送った

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき 霙と雪の荒れ日和に 源氏は、 前斎宮の宮を気遣って手紙を送った (前斎宮〈六条御息所の娘〉に by 源氏の君) 〜雪や霙がしきりに降り乱れている中空を、 亡き母宮の御霊が まだ家の上を離…

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》田蓑《たみの》の 島の名には隠れず〜夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》 田蓑《たみの》の 島の名には隠れず 夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。 人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏 (by 源氏の君) 〜涙に濡れる旅の衣は、 昔、海浜を流浪した時と同じようだ 田蓑の島…

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん〜源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん 源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る (源氏の君に by 明石の上) 〜とるに足らない身の上の私 何もかもあきらめておりましたのに どうして身を尽くしてま…

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな〜源氏は懐紙に歌を書き 明石の上の船に届けさせた

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな 〜身を尽くして 恋い慕っていた甲斐のあるここで めぐり逢えたとは、 宿縁は深いのですね 【第14帖 澪標 みおつくし】 源氏は懐紙に書くのであった。 みをつくし 恋ふるしるしに こ…

荒かりし 浪《なみ》のまよひに 住吉の 神をばかけて 忘れやはする〜住吉の神の御神徳を偉大なものと感じる惟光。確かに霊験を見たと言う源氏の君

荒かりし 浪《なみ》のまよひに 住吉の 神をばかけて 忘れやはする 住吉の神の御神徳を偉大なものと感じる惟光。 確かに霊験を見たと言う源氏の君 (by 源氏の君) 〜あの須磨の大嵐が荒れ狂った時に 念じた住吉の神の御神徳を どうして忘られることができよ…

住吉の 松こそものは 悲しけれ 神代のことを かけて思へば〜源氏は、夜通しいろいろの音楽舞楽を広前に催した。住吉の神の徳を偉大なものに感じていた惟光

住吉の 松こそものは 悲しけれ 神代のことを かけて思へば 源氏は、夜通しいろいろの音楽舞楽を広前に催した。 住吉の神の徳を偉大なものに感じていた惟光 (源氏の君に by 惟光) 〜住吉の松を見るにつけ感慨無量です 神代の昔のことが 忘れられずに思われ…

おしなべて たたく水鶏に 驚かば うはの空なる 月もこそ入れ〜おどけて戯言を言う源氏は、貞淑な花散里を信頼している。

おしなべて たたく水鶏に 驚かば うはの空なる 月もこそ入れ おどけて戯言を言う源氏は、 貞淑な花散里を信頼している (花散里の君に by 源氏の君) 〜どの家の戸でも叩く水鶏の音に驚いて 見境なしに戸を開けたら (わたし以外の) いい加減な月の光が入っ…

水鶏(くいな)だに 驚かさずば いかにして 荒れたる宿に 月を入れまし〜水鶏が近くで鳴くのを聞いて 懐かしい調子でいう花散里の君

水鶏だに 驚かさずば いかにして 荒れたる宿に 月を入れまし 水鶏が近くで鳴くのを聞いて 懐かしい調子でいう花散里の君(源氏の君に by 花散里) 〜せめて水鶏だけでも 戸を叩いて知らせてくれなかったら どのようにしてこの荒れた宿に 月の光を迎え入れる…

数ならぬ み島がくれに 鳴く鶴《たづ》を 今日もいかにと訪《と》ふ人ぞなき〜源氏の君からの手紙を読み、頼りにし信頼する明石の上

数ならぬ み島がくれに 鳴く鶴《たづ》を 今日もいかにと訪《と》ふ人ぞなき 源氏の君からの手紙を読み、 頼りにし信頼する明石の上(源氏の君に by 明石の君) 〜物の数ではない 島の影に隠れてなく鶴‥ 人数に入らないわたしのもとで育つわが子を 今日の五…

海松や 時ぞともなき かげにゐて 何のあやめも いかにわくらん〜源氏の君は、我が子への恋しさと 姫君を京に迎えたい旨の手紙を送る

海松や 時ぞともなき かげにゐて 何のあやめも いかにわくらん 我が子への恋しさと 姫君を京に迎えたい旨の手紙を送る源氏の君 (明石に by 源氏の君) 〜海松は、 いつも変わらない岩陰にいたのでは、 今日が 五日の節句の五十日の祝いと どうしてお分りに…

たれにより 世をうみやまに 行きめぐり 絶えぬ涙に 浮き沈む身ぞ〜嫉妬をする紫の上をなだめる源氏の君

たれにより 世をうみやまに 行きめぐり 絶えぬ涙に 浮き沈む身ぞ 嫉妬をする紫の上をなだめる源氏の君 (紫の上に by 源氏の君) 〜いったい誰のために このつらい世を海や山にさまよって 止まることのない涙を流して 浮き沈みしてきたのでしょうか 【第13帖…

思ふどち 靡《なび》く方には あらずとも 我ぞ煙に先立ちなまし〜忘られぬ風に明石の上の話をする源氏に 紫の上は恨めしく悲しく思う

思ふどち 靡《なび》く方には あらずとも 我《われ》ぞ煙に先立ちなまし 忘られぬ風に明石の上の話をする源氏に 紫の上は恨めしく悲しく思う(by 紫の上) 〜相思相愛のあなた達が 同じ方向になびいているのとは違って わたしは先に煙となって死んでしまいた…

一人して 撫《な》づるは袖の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ〜明石の上は源氏に感想を少し書き 歌も添えた

一人して 撫づるは袖の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ 〜わたし一人で 姫君をお世話するには行き届きませんので 貴方の大きなご加護を期待しております 【第13帖 澪標 みおつくし】 明石の君は感想を少し書いて、 一人して 撫《な》…

いつしかも 袖うちかけん をとめ子が 世をへて撫《な》でん 岩のおひさき〜源氏は明石に乳母を派遣した。源氏の心は明石に傾き尽くしていた。

いつしかも 袖《そで》うちかけん をとめ子が 世をへて撫《な》でん 岩のおひさき 源氏は明石に乳母を派遣した。 源氏の心は明石に傾き尽くしていた。 (明石に by 源氏の君) 〜早くわたしの手元に姫君を引き取って 世話をしてあげたい 天女が羽衣で岩を撫…

うちつけの 別れを惜しむ かごとにて 思はん方に 慕ひやはせぬ〜源氏の冗談に 笑って返歌をし 冷かした🌷

うちつけの 別れを惜しむ かごとにて 思はん方に 慕ひやはせぬ 源氏の冗談に 笑って返歌をし 冷かした (源氏の君に by 明石の姫君の乳母〈宣旨の娘〉) 〜口から出まかせの別れを惜しむことばにかこつけて 本当は、 恋しい方のいらっしゃる所に行きたいので…