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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

第14帖 澪標(みおつくし)源氏物語

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に〜前斎宮〈六条御息所の娘〉は、灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に 前斎宮〈六条御息所の娘〉は、 灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった (源氏の君に by 前斎宮) 〜消えそうになく生きていますのが 悲しく思われます 毎日…

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき〜霙と雪の荒れ日和に 源氏は、前斎宮の宮を気遣って手紙を送った

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき 霙と雪の荒れ日和に 源氏は、 前斎宮の宮を気遣って手紙を送った (前斎宮〈六条御息所の娘〉に by 源氏の君) 〜雪や霙がしきりに降り乱れている中空を、 亡き母宮の御霊が まだ家の上を離…

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》田蓑《たみの》の 島の名には隠れず〜夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》 田蓑《たみの》の 島の名には隠れず 夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。 人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏 (by 源氏の君) 〜涙に濡れる旅の衣は、 昔、海浜を流浪した時と同じようだ 田蓑の島…

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん〜源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん 源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る (源氏の君に by 明石の上) 〜とるに足らない身の上の私 何もかもあきらめておりましたのに どうして身を尽くしてま…

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな〜源氏は懐紙に歌を書き 明石の上の船に届けさせた

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな 〜身を尽くして 恋い慕っていた甲斐のあるここで めぐり逢えたとは、 宿縁は深いのですね 【第14帖 澪標 みおつくし】 源氏は懐紙に書くのであった。 みをつくし 恋ふるしるしに こ…

荒かりし 浪《なみ》のまよひに 住吉の 神をばかけて 忘れやはする〜住吉の神の御神徳を偉大なものと感じる惟光。確かに霊験を見たと言う源氏の君

荒かりし 浪《なみ》のまよひに 住吉の 神をばかけて 忘れやはする 住吉の神の御神徳を偉大なものと感じる惟光。 確かに霊験を見たと言う源氏の君 (by 源氏の君) 〜あの須磨の大嵐が荒れ狂った時に 念じた住吉の神の御神徳を どうして忘られることができよ…

住吉の 松こそものは 悲しけれ 神代のことを かけて思へば〜源氏は、夜通しいろいろの音楽舞楽を広前に催した。住吉の神の徳を偉大なものに感じていた惟光

住吉の 松こそものは 悲しけれ 神代のことを かけて思へば 源氏は、夜通しいろいろの音楽舞楽を広前に催した。 住吉の神の徳を偉大なものに感じていた惟光 (源氏の君に by 惟光) 〜住吉の松を見るにつけ感慨無量です 神代の昔のことが 忘れられずに思われ…

おしなべて たたく水鶏に 驚かば うはの空なる 月もこそ入れ〜おどけて戯言を言う源氏は、貞淑な花散里を信頼している。

おしなべて たたく水鶏に 驚かば うはの空なる 月もこそ入れ おどけて戯言を言う源氏は、 貞淑な花散里を信頼している (花散里の君に by 源氏の君) 〜どの家の戸でも叩く水鶏の音に驚いて 見境なしに戸を開けたら (わたし以外の) いい加減な月の光が入っ…

水鶏(くいな)だに 驚かさずば いかにして 荒れたる宿に 月を入れまし〜水鶏が近くで鳴くのを聞いて 懐かしい調子でいう花散里の君

水鶏だに 驚かさずば いかにして 荒れたる宿に 月を入れまし 水鶏が近くで鳴くのを聞いて 懐かしい調子でいう花散里の君(源氏の君に by 花散里) 〜せめて水鶏だけでも 戸を叩いて知らせてくれなかったら どのようにしてこの荒れた宿に 月の光を迎え入れる…

数ならぬ み島がくれに 鳴く鶴《たづ》を 今日もいかにと訪《と》ふ人ぞなき〜源氏の君からの手紙を読み、頼りにし信頼する明石の上

数ならぬ み島がくれに 鳴く鶴《たづ》を 今日もいかにと訪《と》ふ人ぞなき 源氏の君からの手紙を読み、 頼りにし信頼する明石の上(源氏の君に by 明石の君) 〜物の数ではない 島の影に隠れてなく鶴‥ 人数に入らないわたしのもとで育つわが子を 今日の五…

海松や 時ぞともなき かげにゐて 何のあやめも いかにわくらん〜源氏の君は、我が子への恋しさと 姫君を京に迎えたい旨の手紙を送る

海松や 時ぞともなき かげにゐて 何のあやめも いかにわくらん 我が子への恋しさと 姫君を京に迎えたい旨の手紙を送る源氏の君 (明石に by 源氏の君) 〜海松は、 いつも変わらない岩陰にいたのでは、 今日が 五日の節句の五十日の祝いと どうしてお分りに…

たれにより 世をうみやまに 行きめぐり 絶えぬ涙に 浮き沈む身ぞ〜嫉妬をする紫の上をなだめる源氏の君

たれにより 世をうみやまに 行きめぐり 絶えぬ涙に 浮き沈む身ぞ 嫉妬をする紫の上をなだめる源氏の君 (紫の上に by 源氏の君) 〜いったい誰のために このつらい世を海や山にさまよって 止まることのない涙を流して 浮き沈みしてきたのでしょうか 【第13帖…

いつしかも 袖うちかけん をとめ子が 世をへて撫《な》でん 岩のおひさき〜源氏は明石に乳母を派遣した。源氏の心は明石に傾き尽くしていた。

いつしかも 袖《そで》うちかけん をとめ子が 世をへて撫《な》でん 岩のおひさき 源氏は明石に乳母を派遣した。 源氏の心は明石に傾き尽くしていた。 (明石に by 源氏の君) 〜早くわたしの手元に姫君を引き取って 世話をしてあげたい 天女が羽衣で岩を撫…

うちつけの 別れを惜しむ かごとにて 思はん方に 慕ひやはせぬ〜源氏の冗談に 笑って返歌をし 冷かした🌷

うちつけの 別れを惜しむ かごとにて 思はん方に 慕ひやはせぬ 源氏の冗談に 笑って返歌をし 冷かした (源氏の君に by 明石の姫君の乳母〈宣旨の娘〉) 〜口から出まかせの別れを惜しむことばにかこつけて 本当は、 恋しい方のいらっしゃる所に行きたいので…

かねてより 隔てぬ中と ならはねど 別れは惜しき ものにぞありける〜源氏は、我が子の新しい乳母を訪ね、乳母に冗談を言う🌷

かねてより 隔てぬ中と ならはねど 別れは惜しき ものにぞありける 源氏は、我が子の新しい乳母を訪ね 乳母に冗談を言う (明石の姫君の乳母〈宣旨の娘〉に by 源氏の君) 〜以前から特に親しい仲であったわけではないが それでも、 別れは惜しい気がするも…