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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

第13帖 明石(あかし)源氏物語

思ふどち 靡《なび》く方には あらずとも 我ぞ煙に先立ちなまし〜忘られぬ風に明石の上の話をする源氏に 紫の上は恨めしく悲しく思う

思ふどち 靡《なび》く方には あらずとも 我《われ》ぞ煙に先立ちなまし 忘られぬ風に明石の上の話をする源氏に 紫の上は恨めしく悲しく思う(by 紫の上) 〜相思相愛のあなた達が 同じ方向になびいているのとは違って わたしは先に煙となって死んでしまいた…

一人して 撫《な》づるは袖の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ〜明石の上は源氏に感想を少し書き 歌も添えた

一人して 撫づるは袖の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ 〜わたし一人で 姫君をお世話するには行き届きませんので 貴方の大きなご加護を期待しております 【第13帖 澪標 みおつくし】 明石の君は感想を少し書いて、 一人して 撫《な》…

かへりては かごとやせまし 寄せたりし 名残《なごり》に 袖の乾《ひ》がたかりしを〜源氏は 五節の君に違いないと思って返事を送った

かへりては かごとやせまし 寄せたりし 名残《なごり》に 袖の乾《ひ》がたかりしを 源氏は 五節の君に違いないと思って返事を送った (五節の君に by 源氏の君) 〜かえってこちらこそ愚痴を言いたいくらいです、 ご好意を寄せていただいて それ以来 涙に濡…

須磨の浦に 心を寄せし 船人の やがて朽《く》たせる 袖を見せばや〜大弐《だいに》の娘の五節《ごせち》は名を伏せて源氏に手紙を送った

須磨の浦に 心を寄せし 船人の やがて朽《く》たせる 袖を見せばや 大弐《だいに》の娘の五節《ごせち》は 名を伏せて源氏に手紙を送った (源氏の君に by 大弐の娘 五節の君) 〜須磨の浦で 好意を寄せていた舟人の そのまま涙で朽ちさせてしまった袖を お…

歎きつつ 明石の浦に 朝霧の 立つやと人を 思ひやるかな〜源氏は明石からの使いに 手紙を持たせて帰した🌊

歎きつつ 明石の浦に 朝霧の 立つやと人を 思ひやるかな 源氏は明石からの使いに 手紙を持たせて帰した (明石の君に by 源氏の君) 〜貴女がお嘆きになりながら 暮らしていらっしゃる明石の浦には その嘆きの息が朝霧となって 立ちこめているのではないかと…

宮ばしら めぐり逢ひける 時しあれば 別れし春の 恨み残すな〜朱雀帝が君主としての過失を自らお認めになる情を優しくお見せになる🌕

宮ばしら めぐり逢ひける 時しあれば 別れし春の 恨み残すな 朱雀帝が君主としての過失を 自らお認めになる情を優しくお見せになる (源氏の君に by 朱雀帝) 〜こうしてめぐり会える時があったのだから あの別れた春の恨みはもう忘れてください 【第13帖 明…

わたつみに 沈みうらぶれ ひるの子の 足立たざりし 年は経にけり〜美しい十五夜の月のもと 兄帝と源氏は語り合う🌕

わたつみに 沈みうらぶれ ひるの子の 足立たざりし 年は経にけり 美しい十五夜の月のもと 兄帝と源氏は語り合う (兄帝に by 源氏の君) 〜海浜でうちしおれて 落ちぶれながら蛭子のように 立つことも身動きも取れず 何年も過ごしてきました 【第13帖 明石 …

都出《い》でし 春の歎《なげ》きに 劣らめや 年ふる浦を 別れぬる秋〜源氏は何年も過ごした明石を離れることが名残惜しく思う。袖で涙を拭う源氏🌊

都出《い》でし 春の歎《なげ》きに 劣らめや 年ふる浦を 別れぬる秋 源氏は何年も過ごした明石を離れることが名残惜しく思う。 袖で涙を拭う源氏(明石入道に by 源氏の君) 〜都を出発した時の あの春の悲しさに決して劣るだろうか 何年も過ごした この明…

世をうみに ここらしほじむ 身となりて なほこの岸を えこそ離れね〜明石入道はせめて国境までは 源氏のお供をさせていただきますと言う🪷

世をうみに ここらしほじむ 身となりて なほこの岸を えこそ離れね 明石入道はせめて国境までは 源氏のお供をさせていただきますと言う (源氏の君に by 明石入道) 〜世の中が嫌になって 長年この海辺で潮風に吹かれて暮らして来ましたが、 なお依然として…

かたみにぞ かふべかりける 逢ふことの 日数へだてん 中の衣を〜源氏のために調製された狩衣に書かれた明石の君の歌🪷それに対しての源氏の返歌

かたみにぞ かふべかりける 逢ふことの 日数へだてん 中の衣を 源氏のために調製された狩衣に書かれた明石の君の歌 それに対しての源氏の返歌(明石の君に by 源氏の君) 〜お互いに形見として着物を交換しましょう また逢える日までの間の二人の仲の、 この…

寄る波に たち重ねたる 旅衣 しほどけしとや 人のいとはん〜明石入道は一同に立派な餞別を用意した。源氏の装束は特に精選して調整してあり、その狩衣に明石の君の歌が書かれてあった。

寄る波に たち重ねたる 旅衣 しほどけしとや 人のいとはん 明石入道は一同に立派な餞別を用意した。 源氏の装束は特に精選して調整してあり、 その狩衣に明石の君の歌が書かれてあった。 (源氏の君に by 明石の君) 〜ご用意致しました旅のご装束は 寄る波…

年経つる 苫屋《とまや》も荒れて うき波の 帰る方にや 身をたぐへまし〜源氏が人目を忍んで送った手紙‥明石の君は自分の気持ちをそのまま書いた返歌をする🪷

年経つる 苫屋《とまや》も荒れて うき波の 帰る方にや 身をたぐへまし 源氏が人目を忍んで送った手紙‥ 明石の君は自分の気持ちをそのまま書いた返歌をする (源氏の君に by 明石の君) 〜長年住みなれたこの苫屋も、 あなた様が立ち去った後は荒れはてて つ…

うち捨てて 立つも悲しき浦波の 名残《なごり》いかにと 思ひやるかな〜出立の朝、源氏は時間と人目を盗んで明石の君に手紙を書き送った🪷

うち捨てて 立つも悲しき浦波の 名残《なごり》いかにと 思ひやるかな 出立の朝、 源氏は時間と人目を盗んで明石の君に手紙を書き送った (明石の君に by 源氏の君) 〜あなたを置いて 明石の浦を旅立つわたしも悲しい気がしますが 後に残ったあなたは さぞ…

逢《あ》ふまでの かたみに契る 中の緒《を》の しらべはことに 変はらざらなん〜琴の調子が狂わない間に必ず逢おうと明石の君を言いなだめる源氏🪷

逢《あ》ふまでの かたみに契る 中の緒《を》の しらべはことに 変はらざらなん 琴の調子が狂わない間に必ず逢おうと 明石の君を言いなだめる源氏 (明石の君に by 源氏の君) 〜今度逢う時までの 形見に残した琴の中の緒の調子のように 二人の仲の愛情も、 …

なほざりに 頼めおくめる  一ことを つきせぬ音《ね》にやかけてしのばん〜源氏は熱情を込めて明石の君に将来を誓う。それに応える明石の君の歌🌸

なほざりに 頼めおくめる 一ことを つきせぬ音《ね》にやかけてしのばん 源氏は熱情を込めて明石の君に将来を誓う。 それに応える明石の君の歌 (源氏の君に by 明石の君) 〜あなたがいい加減にお約束くださったお言葉でしょうが、 私はいつまでも悲しくて…

かきつめて 海人《あま》の焼く藻《も》の 思ひにも 今はかひなき 恨みだにせじ〜源氏との別れを悲しみ 涙にくれる明石の君🪷

かきつめて 海人《あま》の焼く藻《も》の 思ひにも 今はかひなき 恨みだにせじ 源氏との別れを悲しみ 涙にくれる明石の君 (源氏の君に by 明石の君) 〜かきあつめて 海人が焚く藻塩火のように物思いが尽きず、 悲しい気持ちでいっぱいですが、 今は申して…

このたびは 立ち別るとも 藻塩《もしほ》焼く 煙は同じ 方《かた》になびかん〜別れを悲しむ明石の君を慰める源氏🪷

このたびは 立ち別るとも 藻塩《もしほ》焼く 煙は同じ 方《かた》になびかん 別れを悲しむ明石の君を慰める源氏 (明石の君に by 源氏の君) 〜今はいったんお別れしますが、 藻塩焼く煙が同じ方向にたなびいているように いずれは一緒に暮らしましょう 【…

うらなくも 思ひけるかな 契りしを 松より波は 越えじものぞと〜信じていた源氏の告白に 悲しく悔しい思いをする紫の上🪷

うらなくも 思ひけるかな 契りしを 松より波は 越えじものぞと 信じていた源氏の告白に 悲しく悔しい思いをする紫の上 (源氏の君に by 紫の上) 〜固い約束をしましたので、無邪気にも 何の疑いもなく信じておりました 末の松山のように、心変わりはないも…

しほしほと まづぞ泣かるる かりそめの みるめは海人《あま》の すさびなれども〜明石の君との事を紫の上に告白し、言い訳する源氏の君💦

しほしほと 先《ま》づぞ泣かるる かりそめの みるめは海人《あま》の すさびなれども 明石の君との事を紫の上に告白し、 言い訳する源氏の君(紫の上に by 源氏の君) 〜貴女のことが思い出されて、 さめざめと泣けてしまいます ほんの出来心の かりそめの…

秋の夜の 月毛の駒よ 我が恋ふる 雲井に駈《か》けれ 時の間も見ん〜入江の月夜が美しい夜。紫の上が恋しい源氏🌊

秋の夜の 月毛の駒《こま》よ 我が恋ふる 雲井に駈《か》けれ 時の間も見ん 入江の月夜が美しい夜。紫の上が恋しい源氏(源氏の君の歌) 〜秋の夜の月毛の駒よ、わが恋する都へ天翔っておくれ 束の間でもあの人に会いたいので 【第13帖 明石 あかし】 風流が…

明けぬ夜に やがてまどへる 心には いづれを夢と 分《わ》きて語らん〜訪ねてきた源氏に歌を詠みかけられる。明石入道の娘の返歌🪷

明けぬ夜に やがてまどへる 心には 何《いづ》れを夢と 分《わ》きて語らん 訪ねてきた源氏に歌を詠みかけられる。 明石入道の娘の返歌(源氏の君に by 明石入道の娘) 〜明けぬ夜の闇に そのまま迷っておりますわたしには どちらが夢か現実かも わかりませ…

むつ言を 語りあはせん 人もがな うき世の夢も なかば覚《さ》むやと〜源氏は 明石入道の娘を訪れ声をかける🪷

むつ言を 語りあはせん 人もがな うき世の夢も なかば覚《さ》むやと 源氏は 明石入道の娘を訪れ 声をかける (明石入道の娘に by 源氏の君) 〜睦言を語り合える相手が欲しいものです この辛い世の夢がいくらかでも覚めやしないかと 【第13帖 明石 あかし】…

思ふらん 心のほどや やよいかに まだ見ぬ人の 聞きか悩まん 〜明石入道の娘の返事は 京の貴女に劣らぬほどの手である🪷

思ふらん 心のほどや やよいかに まだ見ぬ人の 聞きか悩まん (by明石入道の娘) 明石入道の娘の返事は 京の貴女に劣らぬほどの手である 〜思って下さるとおっしゃいますが、 その真意はいかがなものでしょうか まだ見たこともない方が 噂だけで悩むというこ…

眺むらん 同じ雲井を 眺むるは 思ひも同じ 思ひなるらん〜源氏の手紙の返事を書かぬ明石入道の娘🌸仕方なく明石入道が代筆して返事を書いた🪷

眺むらん 同じ雲井を 眺むるは 思ひも同じ 思ひなるらん 源氏の手紙の返事を書かぬ明石入道の娘 仕方なく明石入道が代筆して返事を書いた (源氏の君へ by 返事の代筆した明石入道) 〜物思いされながら眺めていらっしゃる空を 同じく眺めていますのは 娘も…

遠近《をちこち》も しらぬ雲井に 眺《なが》めわび かすめし宿の 梢《こずゑ》をぞとふ〜源氏は山手の家の明石入道の娘に 胡桃色の朝鮮紙に綺麗な字で手紙を書く🌸

遠近《をちこち》も しらぬ雲井に 眺《なが》めわび かすめし宿の 梢《こずゑ》をぞとふ 源氏は山手の家の明石入道の娘に 胡桃色の朝鮮紙に綺麗な字で手紙を書く (山手の家に住む明石入道の娘にby 源氏の君) 〜遠いとも近いとも知らない空を眺めて物思いに…

旅衣 うら悲しさに あかしかね 草の枕《まくら》は 夢も結ばず〜自分に娘を嫁がせたい明石入道の話を聴きながらくつろいでいる源氏の君💐

旅衣 うら悲しさに あかしかね 草の枕《まくら》は 夢も結ばず 自分に娘を嫁がせたい明石入道の話を聴きながらくつろぐ源氏の君 (源氏の君の歌) 〜旅衣を着ている 旅の生活の寂しさに夜を明かしかねて 安らかな夢を見ることもありません 【第13帖 明石 あ…

ひとり寝は 君も知りぬや つれづれと 思ひあかしの うら寂しさを〜自分の娘を 都の貴人に差し上げようと思う心が深い明石入道🌊

ひとり寝は 君も知りぬや つれづれと 思ひあかしの うら寂しさを 自分の娘を 都の貴人に差し上げようと思う心が深い明石入道 (明石入道から源氏の君に) 〜ひとり寝は あなた様もお分かりになったでしょうか 所在なく物思いに夜を明かしている娘の 明石の浦…

泡と見る 淡路の島のあはれさへ 残るくまなく 澄める夜の月初夏の夕月夜に〜海上が広く明るく見渡される。源氏はこれを二条の院の月夜の池のように思われ 紫の上を恋しく思う🌕

泡と見る 淡路の島のあはれさへ 残るくまなく 澄める夜の月 海上が広く明るく見渡される。 源氏はこれを二条の院の月夜の池のように思われ 紫の上を恋しく思う (源氏の君から紫の上へ) 〜ああと、 しみじみ眺める淡路島の悲しい情趣まで すっかり照らしだ…

はるかにも 思ひやるかな 知らざりし 浦より遠《をち》に 浦づたひして〜紫の上と離れている辛さと 明石の浦に移ることを伝える源氏🌊

はるかにも 思ひやるかな 知らざりし 浦より遠《をち》に 浦づたひして 紫の上と離れている辛さと 明石の浦に移ることを伝える源氏 (源氏の君から紫の上へ) 〜遥か遠くより思いやっております 見も知らない須磨の浦から さらに遠くの明石の浦に流れ来ても …

海にます 神のたすけに かからずば 潮の八百会《やほあひ》に さすらへなまし〜被害の跡と、大変な嵐であったと 漁村の住民達の話を聞くのも非常に心細いことであった。

海にます 神のたすけに かからずば 潮の八百会《やほあひ》に さすらへなまし 被害の跡、大変な嵐であったと 漁村の住民達の話を聞くのも 非常に心細いことであった。(源氏の君の歌) 〜海に鎮座まします 神の御加護がなかったならば 潮の渦巻く はるか沖合…