2023-10-17から1日間の記事一覧
なほざりに 頼めおくめる 一ことを つきせぬ音《ね》にやかけてしのばん 源氏は熱情を込めて明石の君に将来を誓う。 それに応える明石の君の歌 (源氏の君に by 明石の君) 〜あなたがいい加減にお約束くださったお言葉でしょうが、 私はいつまでも悲しくて…
かきつめて 海人《あま》の焼く藻《も》の 思ひにも 今はかひなき 恨みだにせじ 源氏との別れを悲しみ 涙にくれる明石の君 (源氏の君に by 明石の君) 〜かきあつめて 海人が焚く藻塩火のように物思いが尽きず、 悲しい気持ちでいっぱいですが、 今は申して…
このたびは 立ち別るとも 藻塩《もしほ》焼く 煙は同じ 方《かた》になびかん 別れを悲しむ明石の君を慰める源氏 (明石の君に by 源氏の君) 〜今はいったんお別れしますが、 藻塩焼く煙が同じ方向にたなびいているように いずれは一緒に暮らしましょう 【…
うらなくも 思ひけるかな 契りしを 松より波は 越えじものぞと 信じていた源氏の告白に 悲しく悔しい思いをする紫の上 (源氏の君に by 紫の上) 〜固い約束をしましたので、無邪気にも 何の疑いもなく信じておりました 末の松山のように、心変わりはないも…
しほしほと 先《ま》づぞ泣かるる かりそめの みるめは海人《あま》の すさびなれども 明石の君との事を紫の上に告白し、 言い訳する源氏の君(紫の上に by 源氏の君) 〜貴女のことが思い出されて、 さめざめと泣けてしまいます ほんの出来心の かりそめの…