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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

第12帖 須磨(すま)源氏物語

八百《やほ》よろづ 神も憐《あは》れと 思ふらん 犯せる罪の それとなければ〜巳の日、御禊場にて祓いをした。その時の源氏の歌🌊

八百《やほ》よろづ 神も憐《あは》れと 思ふらん 犯せる罪の それとなければ 巳の日、御禊場にて祓いをした。その時の源氏の歌 〜八百万(やおよろず)の神々も わたしを哀れんでくださるでしょう これといって犯した罪はないのだから 【第12帖 須磨 すま】…

知らざりし 大海の原に 流れ来て 一方にやは 物は悲しき〜旅の陰陽師を雇い祓いをさせた。船に人形を乗せて流すのを見ても惨めに思った。

知らざりし 大海の原に 流れ来て 一方にやは 物は悲しき 旅の陰陽師を雇い祓いをさせた。 船に人形を乗せて流すのを見ても惨めに思った。by 源氏 〜見も知らなかった大海原に流れきて、 人形に ひとかたならず悲しく思われることよ 【第12帖 須磨 すま】 今…

たづかなき 雲井に独り 音《ね》をぞ鳴く 翅《つばさ》並べし 友を恋ひつつ〜須磨の源氏を訪ねた宰相(葵の上の兄)別れの時の歌🌊

たづかなき 雲井に独《ひと》り音《ね》をぞ鳴く 翅《つばさ》並べし 友を恋ひつつ 須磨の源氏を訪ねた宰相(葵の上の兄)別れの時の歌 〜頼りない雲居(宮中)で、 わたしは独りで泣いています。 かつて共に翼を並べた君を恋い慕いながら 【第12帖 須磨 す…

雲近く 飛びかふ鶴《たづ》も 空に見よ われは春日の 曇りなき身ぞ〜須磨まで訪ねてくれた宰相(葵の上の兄)を見送るときの源氏の歌🌊

雲近く 飛びかふ鶴《たづ》も 空に見よ われは春日の 曇りなき身ぞ 須磨まで訪ねてくれた宰相(葵の上の兄)を見送るの源氏 〜雲の近くを飛びかっている鶴よ、 雲上人よ、はっきりとご照覧あれ わたしは春の日のように曇りの無い潔白の身なのです。 【第12帖…

ふるさとをいづれの春か行きて見ん羨ましきは帰るかりがね〜朝ぼらけの空を行く雁《かり》の列を見て‥源氏の歌🪷

故郷《ふるさと》を 何《いづ》れの春か 行きて見ん 羨《うらや》ましきは 帰るかりがね 朝ぼらけの空を行く雁《かり》の列を見て‥源氏の歌 〜ふる里を いつの春に見ることができるだろうか。 羨ましいのは 今帰って行く雁だ (都に帰る君が羨ましい) 【第1…

飽かなくに 雁の常世《とこよ》を 立ち別れ 花の都に 道やまどはん〜源氏の君との別れを惜しむ宰相(葵の上の兄)🌊

飽かなくに 雁の常世《とこよ》を 立ち別れ 花の都に 道やまどはん 源氏の君との別れを惜しむ宰相(葵の上の兄) 〜まだ飽きないまま雁は常世を立ち去ります。 花の都への道におもむいたとしても 道に迷わないでしょうか。 【第12帖 須磨 すま】 朝ぼらけの…

いつとなく 大宮人《おほみやびと》の恋しきに 桜かざしし 今日も来にけり〜院の御代の最後の桜花の宴を思い出された。その時の源氏の歌🪷

いつとなく 大宮人《おほみやびと》の恋しきに 桜かざしし 今日も来にけり 院の御代の最後の桜花の宴を思い出された。 その時の源氏の歌 〜いつと限らず都の人達が恋しく思われるのに 桜をかざして遊んだその日がまたやって来た。 【第12帖 須磨 すま】 須磨…

友千鳥 諸声《もろごゑ》に鳴く 暁は 一人寝覚めの床 も頼もし〜明け方に千鳥が身に沁む声で鳴いた。その時の源氏の歌🌊

友千鳥 諸声《もろごゑ》に鳴く 暁は 一人寝覚《ねざ》めの床《とこ》も頼もし 明け方に千鳥が身に沁む声で鳴いた。 その時の源氏の歌 〜友千鳥が声を合わせて鳴いている明け方は ひとり寝から目覚めて泣くわたしも 心強い気がする 【第12帖 須磨 すま】 源…

何方《いづかた》の 雲路にわれも 迷ひなん 月の見るらんことも恥かし〜もう落ちるのに近い月がすごいほど白いのを見た源氏の君の歌🌕

何方《いづかた》の 雲路にわれも 迷ひなん 月の見るらんことも恥《はづ》かし もう落ちるのに近い月が すごいほど白いのを見た源氏の君の歌 〜どの方角の雲路にわたしも迷って行くことであろう。 月が見ているだろうことも恥ずかしいことだ。 【第12帖 須磨…

山がつの 庵《いほり》に 焚《た》けるしば しばも言問ひ 来なむ恋ふる里人〜塩を焼く煙と思っていたのが 柴をくべる煙と聞いた時の源氏の作

山がつの 庵《いほり》に 焚《た》けるしば しばも言問ひ 来なむ恋ふる里人 塩を焼く煙と思っていたのが 柴をくべる煙と聞いた時の源氏の作 〜賤しい山人が粗末な家で焼いている柴のように しばしば便りを寄せてほしいのです。 恋しいふるさとの人よ 【第12…

心ありて ひくての綱の たゆたはば 打ち過ぎましや 須磨の浦波〜五節の君への返事。五節は明石の駅長に詩を残した菅公のように思われて同情した。

心ありて ひくての綱の たゆたはば 打ち過ぎましや 須磨の浦波 五節の君への返事。 五節は明石の駅長に詩を残した菅公のように思われて同情した。 〜わたしを思う心があって 引手綱のように揺れるというならば 通り過ぎて行きましょうか、 この須磨の浦を 【…

琴の音に ひきとめらるる 綱手縄《つなてなは》たゆたふ心 君知るらめや〜密かな恋人であった五節の君は源氏に手紙を送る🪷

琴の音に ひきとめらるる 綱手縄《つなてなは》 たゆたふ心 君知るらめや 〜琴の音に引き止められた綱手縄のように ゆらゆら揺れているわたしの心をお分かりでしょうか 【第12帖 須磨 すま】 五節《ごせち》の君は 人に隠れて源氏へ手紙を送った。 琴の音に …

憂《う》しとのみ ひとへに物は思ほえで 左右にも 濡るる袖かな〜去年の同じ夜の兄帝の朱雀院のことも 源氏は恋しく思い出していた🪷

憂《う》しとのみ ひとへに物は思ほえで 左右にも 濡るる袖かな 去年の同じ夜の兄帝の朱雀院のことも 恋しく思い出していた源氏の君 〜ただ つらいとばかり一途に思うこともできず 恋しさと つらさとの両方に濡れるわが袖よ 【第12帖 須磨 すま】 この月を入…

見るほどぞ しばし慰む めぐり合はん 月の都は はるかなれども〜去年の秋の 藤壺の宮が思い出され声を立てて泣く源氏🪷

見るほどぞ しばし慰む めぐり合はん 月の都は はるかなれども 去年の秋の 藤壺の宮が思い出され声を立てて泣く源氏 〜見ている間は、しばらくの間だが心慰められる。 再びめぐり逢おうと思う月の都(京の都)は、 はるか遠くではあるけれども。 【第12帖 須…

常世《とこよ》いでて 旅の空なる かりがねも つらにおくれぬ ほどぞ慰む〜伊予介🍊の息子 空蝉の義理の息子の前右近丞《ぜんうこんのじょう》の歌

常世《とこよ》出《い》でて 旅の空なる かりがねも 列《つら》に後《おく》れぬ ほどぞ慰む 伊予介の息子 空蝉の義理の息子の 前右近丞《ぜんうこんのじょう》の歌 〜故郷の常世の国を出て旅の空にいる雁も 仲間に外れないで一緒にいるあいだは 心も慰みま…

心から 常世《とこよ》を捨てて 鳴く雁を 雲のよそにも 思ひけるかな〜中秋の十五夜 源氏の君を囲んで過ごす。惟光の歌🌖

心から 常世《とこよ》を捨てて 鳴く雁を 雲のよそにも 思ひけるかな 中秋の十五夜 源氏の君を囲んで過ごす。惟光の歌 〜自分から故郷である常世を捨てて 旅の空に鳴いて行く雁を ひとごとのように思っていたことよ。 【第12帖 須磨 すま】 初雁《はつかり》…

かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる 雁はそのよの友ならねども〜今日は中秋の十五夜🌕 明るい月明かりの中の良清の歌🎑

かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる 雁はそのよの友ならねども 今日は中秋の十五夜 明るい月明かりの中の良清の歌 〜次々と昔の事が懐かしく思い出されます。 雁は 昔からの友達であったわけではないのですが‥ 【第12帖 須磨 すま】 初雁《はつかり》は 恋しき…

初雁《はつかり》は 恋しき人の つらなれや 旅の空飛ぶ声の悲しき〜今宵は十五夜なりけり‥宮中の音楽が思い出される秋の夜の源氏の歌🌕

初雁《はつかり》は 恋しき人の つらなれや 旅の空飛ぶ声の悲しき 今宵は十五夜なりけり‥ 宮中の音楽が思い出される秋の夜の源氏の歌 〜初雁は恋しい人の仲間なのだろうか 旅の空を飛んで行く声が悲しく聞こえる 【第12帖 須磨 すま】 初雁《はつかり》は 恋…

恋ひわびて泣く音《ね》に紛《まが》ふ浦波は 思ふ方より風や吹くらん 〜秋の須磨の里‥耐え難く寂しく とめどなく涙が流れる。琴を弾きながら歌う源氏🪷

恋ひわびて泣く音《ね》に紛《まが》ふ浦波は 思ふ方より風や吹くらん 秋の須磨の里‥耐え難く寂しく とめどなく涙が流れる。 琴を弾きながら歌う源氏 〜恋いわびて泣く我が声に交じって 波音が聞こえてくる。 それは恋い慕っている都の方から 風が吹くからで…

荒れまさる 軒のしのぶを眺めつつ 繁《しげ》くも露のかかる袖かな〜源氏の君へ送った 悲しい心を書いた花散里の手紙🌿

荒れまさる 軒のしのぶを眺めつつ 繁《しげ》くも露のかかる袖かな 源氏の君へ送った 悲しい心を書いた花散里の手紙 〜日に日に荒れていく軒の忍ぶ草を眺めていますと ひどく涙の露に濡れる袖ですこと。 【第12帖 須磨 すま】 花散里《はなちるさと》も悲し…

あまがつむ  歎《なげ》きの中に しほたれて 何時《いつ》まで  須磨の浦に眺めん〜源氏は六条御息所に手紙を書いた。返事を得る喜びに自分を慰めているのであった🪷

あまがつむ 歎《なげ》きの中に しほたれて 何時《いつ》まで 須磨の浦に眺《なが》めん 源氏は六条御息所に手紙を書いた。 返事を得る喜びに自分を慰めているのであった 〜海人が積み重ねる投げ木(嘆き)の中に 涙に濡れて いつまで須磨の浦にさすらってい…

伊勢人の  波の上漕ぐ 小船《をぶね》にも うきめは刈らで 乗らましものを〜源氏は六条御息所に手紙を書いて送り 返事を得る喜びで自分を慰めている🪷

伊勢人の 波の上漕ぐ 小船《をぶね》にも うきめは刈らで 乗らましものを 源氏は六条御息所に手紙を書いて送り 返事を得る喜びで自分を慰めている 〜伊勢人が 波の上を漕ぐ舟に 一緒に乗ってお供すればよかった‥ 須磨で浮海布など刈って 辛い思いをしている…

伊勢島や 潮干《しほひ》のかたに あさりても 言ふかひなきはわが身なりけり〜須磨の源氏の君のもとにきた、六条御息所から手紙🌸

伊勢島や 潮干《しほひ》のかたに あさりても 言ふかひなきはわが身なりけり 須磨の源氏の君のもとにきた、六条御息所から手紙 〜伊勢の海の干潟で貝取りをしましても 何の生き甲斐もないのはこのわたしです。 【第12帖 須磨 すま】 源氏が須磨へ移った初め…

うきめかる 伊勢をの海人《あま》を思ひやれ もしほ垂るてふ 須磨の浦にて〜伊勢の六条御息所に使いを出した源氏。御息所から典雅な筆つきの文が来た🌸

うきめかる 伊勢をの海人《あま》 を思ひやれ もしほ垂《た》るてふ須磨の浦にて 伊勢の六条御息所に使いを出した源氏。 御息所から典雅な筆つきの文が来た 〜浮き草を刈る 伊勢の海人のように、 辛く淋しい思いを致してます。 辛い目に遭っている伊勢の人を…

浦人の 塩汲む袖に くらべ見よ 波路隔つる 夜の衣を〜洗練された趣味のよい衣類などと共に紫の上の手紙も届いた🌸

浦人の 塩汲む袖に くらべ見よ 波路隔つる 夜の衣を 洗練された趣味のよい衣類などと共に 紫の上の手紙も届いた 〜須磨の浦で 塩汲むあなたのお袖とお比べになってみてください 遠く波路を隔てた都で 独りで袖を涙で濡らしている夜の衣と 【第12帖 須磨 すま…

浦にたく あまたにつつむ 恋なれば 燻《くゆ》る煙よ行く方《かた》ぞなき〜悲しく辛い思いをしている朧月夜の尚侍の返事は短いものであった。

浦にたく あまたにつつむ 恋なれば 燻《くゆ》る煙よ行く方《かた》ぞなき 悲しい思いをしている朧月夜の尚侍の返事は短いものであった。 〜須磨の浦の木を焼く海人でさえ 人目を隠す恋の火ですから 人目多い都にいる思いは くすぶり続けて晴れようがありま…

しほたるる ことをやくにて 松島に 年経《ふ》るあまも なげきをぞ積む〜藤壺の宮が尼におなりになって お返事も以前のものより情味があった🪷

しほたるる ことをやくにて 松島に 年経《ふ》るあまもなげきをぞ積む 藤壺の宮が尼におなりになって お返事も以前のものより情味があった 〜涙を流し濡れているのを仕事として 出家したわたしも嘆きを積み重ねています 【第12帖 須磨 すま】 入道の宮も東宮…

ふる里を 峯の霞《かすみ》は 隔つれど 眺《なが》むる空は同じ雲井か〜須磨の地で京に残してきた人たちのことを考え 悲しい気持ちになる源氏🪷

ふる里を 峯の霞《かすみ》は 隔つれど 眺《なが》むる空は同じ雲井か 須磨の地で京に残してきた人たちのことを考え 悲しい気持ちになる源氏 〜住みなれた都の方を 峰の霞は遠く隔てている。 わたしが悲しい気持ちで眺めている空は 都であの人が眺めているの…

こりずまの 浦のみるめの ゆかしきを 塩焼くあまや いかが思はん〜朧月夜の尚侍には 中納言の君への私信のようにして手紙を送る源氏の君🌸

こりずまの 浦のみるめの ゆかしきを 塩焼くあまや いかが思はん 朧月夜の尚侍には 中納言の君への私信のようにして手紙を送る源氏の君 〜懲りずに 貴女に お逢いしたく思っていますが あなた様はどう思っておいででしょうか 【第12帖 須磨 すま】 源氏は京…

松島の あまの苫屋《とまや》も いかならん 須磨の浦人 しほたるる頃〜源氏の君は京に使いを出した。その入道の宮(藤壺の宮)への手紙🪷

松島の あまの苫屋《とまや》も いかならん 須磨の浦人 しほたるる頃《ころ》 源氏の君は京に使いを出した。 その入道の宮(藤壺の宮)への手紙 〜私の帰りを待っていらっしゃる 尼君のあなた様、 いかがお過ごしでしょうか わたしは須磨の浦で涙に泣き濡れ…