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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

長き世の 恨みを人に 残しても かつは 心をあだとしらなん〜源氏の狂おしい恋心を、わざと軽く受けたようにしておいでになる藤壺の宮🪷

長き世の 恨みを人に 残しても かつは 心をあだとしらなん 源氏の狂おしい恋心を、 わざと軽く受けたようにしておいでになる藤壺の宮 〜未来永劫の怨みをわたしに残したと言っても そのようなお心はまた一方で すぐに変わるものと知ってください。 【第10帖 …

逢ふことのかたきを今日に限らずばなほ幾世をか歎きつつ経ん〜藤壺の宮の元に忍びこみ 恋心を訴える🪷

逢ふことの 難《かた》きを今日に 限らずば なほ幾世をか歎《なげ》きつつ経ん 藤壺の宮の元に忍びこみ 恋心を訴える 〜お逢いすることの難しさが今日でおしまいでないならば 何度生まれ変わっても嘆きながら過すことでしょうか 【第10帖 賢木 さかき】 「逢…

時ならで今朝咲く花は 夏の雨に萎れにけらし匂にほふほどなく〜頭中将の乾杯の辞に対し、源氏は微笑みながら杯を取った🥂

時ならで 今朝咲く花は 夏の雨に 萎《しを》れにけらし 匂《にほ》ふほどなく 頭中将の乾杯の辞に対し、 源氏は微笑みながら杯を取った 〜時節に合わず今朝咲いた花は夏の雨に しおれてしまったようです。 美しさを見せる間もなく 【第10帖 賢木 さかき】 そ…

それもがと今朝《けさ》開けたる初花に劣らぬ君がにほひをぞ見る〜親友の頭中将が乾杯の辞を述べる🍾

それもがと 今朝《けさ》開けたる初花に 劣らぬ君が にほひをぞ見る 親友の頭中将が乾杯の辞を述べる 〜それを見たいと思っていた 今朝咲いた花に劣らないお美しさの わが君でございます。 【第10帖 賢木 さかき】 それもがと 今朝《けさ》開けたる初花に 劣…

ありし世の名残りだになき浦島に立ちよる波のめづらしきかな〜源氏の歌に対して 藤壺の宮の返歌🪷

ありし世の 名残《なご》りだになき 浦島に 立ちよる波の めづらしきかな 源氏の歌に対して 藤壺の宮の返歌 〜昔の名残さえないこの松が浦島のような所に 立ち寄る波も珍しいのに、 立ち寄ってくださるとは珍しいですね。 【第10帖 賢木 さかき】 解けてきた…

ながめかる海人のすみかと見るからにまづしほたるる松が浦島〜出家した藤壺の宮の元を訪ねた源氏。その時の歌🪷

ながめかる 海人の住処《すみか》と 見るからに まづしほたるる 松が浦島 出家した藤壺の宮の元を訪ねた源氏。その時の歌 〜海藻を刈る海人が住む松が浦島、 物思いに沈んでいらっしゃるお住まいかと存じますと 何より先に涙に暮れてしまいます。 【第10帖 …

音に聞く松が浦島今日ぞ見るうべ心ある海人は住みけり〜源氏の君が口ずさんだ古歌🪷 素性法師(そせいほうし)の歌

音に聞く 松が浦島《うらしま》 今日ぞ見る うべ心ある海人《あま》は住みけり 源氏の君が口ずさんだ古歌 素性法師(そせいほうし)の歌 〜この島が有名な松が浦島なのだ。 だから情趣を解する海人ならぬ 尼が住んでいるのだなあ。 【第10帖 賢木 さかき】 …

おほかたの憂きにつけてはいとへどもいつかこの世をそむきはつべき〜出家をした藤壺の中宮から源氏の君、東宮様に🪷

大方《おほかた》の 憂きにつけては いとへども いつかこの世を背《そむ》きはつべき 出家をした藤壺の中宮から源氏の君、東宮様に 〜世の中のの嫌なことからは離れたけれども、 子どもへの煩悩は いつになったら すっかり離れ切ることができるのでしょうか…

月のすむ雲井をかけてしたふともこのよの闇になほや惑はん〜藤壺の中宮の出家に心乱れる源氏の君の歌🪷

月のすむ 雲井をかけて したふとも このよの闇に なほや惑はん 藤壺の中宮の出家に心乱れる源氏の君の歌 〜月のように澄んだ心で御出家の境地をお慕い申しても なおも子ども(東宮さま)ゆえの この世の煩悩に迷い続けるのでしょうか。 【第10帖 賢木 さかき…

法華経はいかにして得し薪こり菜摘み水くみ仕へてぞ得し〜大僧正 行基(ぎょうき)(668-749)のお読みになった歌🪷

法華経はいかにして得し薪こり 菜摘み水くみ仕へてぞ得し 大僧正 行基 様のお読みになった歌 〜法華経の教えを私が得たのは何故かというに、 前世において薪を樵り、 菜を摘み、水を汲んで、 阿私仙に仕えて得たのである 【第10帖 賢木 さかき】 今日の講師…

ながらふるほどは憂けれど行きめぐり今日はその世に逢ふ心地して〜桐壺院の御一周忌に藤壺の中宮に手紙を送った源氏。中宮のお返事の歌🪷

ながらふる ほどは憂《う》けれど 行きめぐり 今日はその世に 逢ふ心地《ここち》して 桐壺院の御一周忌に藤壺の中宮に手紙を送った源氏。 その中宮のお返事の歌 〜生きながらえておりますのは辛く嫌なことですが 一周忌の今日は、 亡き桐壺院の生きておられ…

別れにし今日は来れども見し人に行き逢ふほどをいつと頼まん〜桐壺院のご命日に雪がひどく降った❄️ 源氏は藤壺の中宮に手紙を送った🪷

別れにし 今日《けふ》は来れども 見し人に 行き逢《あ》ふほどをいつと頼まん 〜故院にお別れ申した今日という日ががめぐって来ました。 雪は降っても その人に また行きめぐり逢える時は いつと期待できようか。 【第10帖 賢木 さかき】 中宮は院の御一周…

あひ見ずて忍ぶる頃の涙をもなべての秋のしぐれとや見る〜朧月夜の君(尚侍)の手紙への返事 by 源氏の君🍂

あひ見ずて 忍ぶる頃の 涙をも なべての秋の しぐれとや見る 朧月夜の君(尚侍)の手紙への返事 by 源氏の君 〜貴方に お逢いできずに 恋い忍んで泣いている涙の雨までを ありふれた秋の時雨とお思いなのでしょうか 【第10帖 賢木 さかき】 どんなに苦しい心…

こがらしの吹くにつけつつ 待ちし間におぼつかなさの頃も経にけり〜初時雨が降りそうな様子の見える頃 朧月夜の内侍から源氏に手紙が届く🪷

木枯《こがら》しの 吹くにつけつつ 待ちし間《ま》に おぼつかなさの頃《ころ》も経にけり 初時雨が降りそうな様子の見える頃 朧月夜の内侍から源氏に手紙が届く 〜木枯しが 吹くたびごとに訪れを待っているうちに 長い月日が過ぎてしまいましたよ。 【第10…

月影は見し世の秋に変はらねど隔つる霧のつらくもあるかな〜藤壺の中宮の歌とお召し物の動く音がほのかに聞こえてくると涙が落ちた。源氏の歌

月影は見し世の秋に変はらねど 隔つる霧のつらくもあるかな 〜月の光は昔の秋と変わりませんのに 隔てるように霧がかかっているのが つらく思われるのです。 (中宮様との間に隔たりがあるのが悲しく思います) 【第10帖 賢木 さかき】 「ただ今まで御前にお…

九重《ここのへ》に霧や隔つる雲の上の月をはるかに思ひやるかな〜院との思い出がお心に浮かび 源氏の君へ 命婦に伝えさせた歌 by 藤壺の中宮🪷

九重《ここのへ》に霧や隔つる雲の上の 月をはるかに思ひやるかな 院との思い出がお心に浮かび 源氏の君へ 命婦に伝えさせた歌 by 藤壺の中宮 〜宮中には霧が幾重にもかかっているのでしょうか。 雲の上で見えない月を はるかにお思い申し上げますことよ。 …

白虹 日を貫けり、太子おぢたり〜 白虹貫日 太子畏之〜(謀叛の兆しがある。しかし太子はその失敗を懼れている)

白虹貫日 太子畏之 白虹 日を貫けり、太子おぢたり 〜謀叛の兆しがある。 しかし太子はその失敗を懼れている ある時、燕の国の太子・丹が荊軻(けいか)に秦の始皇帝の暗殺を頼んだ。 依頼を受けた荊軻が秦国に入国するために易水の川を渡った頃、 太子・丹…

そのかみやいかがはありし木綿襷《ゆふだすき》心にかけて忍ぶらんゆゑ〜榊に木綿《ゆう》をかけた源氏の君の手紙への 加茂斎院からのお返事🌿

そのかみやいかがはありし 木綿襷《ゆふだすき》 心にかけて 忍ぶらんゆゑ 〜その昔 あなたと私の間が どうだったとおっしゃるのでしょうか。 木綿襷を心にかけて偲ぶと おっしゃるわけが分かりかねます。 【第10帖 賢木 さかき】 斎院のいられる加茂はここ…

かけまくもかしこけれどもそのかみの秋思ほゆる 木綿襷《ゆふだすき》かな〜源氏は斎院に榊に木綿(ゆう)をかけて神々しくした枝につけて送った🍃

かけまくもかしこけれどもそのかみの 秋思ほゆる木綿襷《ゆふだすき》かな 源氏は斎院に榊に木綿(ゆう)をかけて 神々しくした枝につけて送った 〜口に出して言うことは恐れ多いことですけれど その昔の秋のころのことが思い出されます 【第10帖 賢木 さか…

あさぢふの露の宿りに君を置きて 四方《よも》の嵐《あらし》ぞしづ心なき〜源氏は紫の上に、情のこもった手紙を送る🌸 

あさぢふの露の宿りに君を置きて 四方《よも》の嵐《あらし》ぞしづ心なき 源氏は紫の上に、情のこもった手紙を送る 〜浅茅生が生い茂る露のようにはかないこの世に あなたを置いてきたので 四方から吹きつける世間の激しい風を聞くにつけ 心が落ち着きませ…

風吹けば先《ま》づぞ乱るる色かはる 浅茅《あさぢ》が露にかかるささがに〜源氏は紫の上に、手紙を送る。紫の上は白い色紙に返事を書いて送った🪷 

風吹けば先《ま》づぞ乱るる色かはる 浅茅《あさぢ》が露にかかるささがに 源氏は紫の上に、手紙を送る。 紫の上は白い色紙に返事を書いて送った 〜浅茅生が生い茂る露のようにはかないこの世に あなたを置いてきたので 四方から吹きつける世間の激しい風を…

歎《なげ》きつつ  我が世はかくて 過ぐせとや 胸のあくべき  時ぞともなく〜朧月夜の君(尚侍)との秘密の恋。尚侍と歌を読み交わす源氏の君の歌🪷

歎《なげ》きつつ 我が世はかくて 過ぐせとや 胸のあくべき 時ぞともなく 〜嘆きながら 一生をこのように過ごせというのでしょうか 夜が明けても 胸の思いの晴れる間もないのに。 【第10帖 賢木 さかき】 心から かたがた袖《そで》を 濡《ぬ》らすかな 明く…

心からかたがた袖を濡らすかな明くと教ふる声につけても〜許されぬ恋人たちの秘密の逢瀬🪷尚侍(ないしのかみ)の歌🍃

心から かたがた袖を 濡らすかな 明くと教ふる 声につけても 許されぬ恋人たちの秘密の逢瀬 尚侍(ないしのかみ)の歌 〜あれこれと考えると心の底から悲しくて、 涙で袖を濡らすことです。 夜が明けることを告げる声を聞くにつけましても。 【第10帖 賢木 …

そのかみを今日はかけじと思へども心のうちに物ぞ悲しき〜十六で皇太子の妃になって、二十で寡婦になり、三十で今日また内裏へはいった‥六条御息所の歌🪷

そのかみを今日《けふ》はかけじと思へども 心のうちに物ぞ悲しき 十六で皇太子の妃になって、二十で寡婦になり、 三十で今日また内裏へはいった‥六条御息所の歌 〜昔のことを今日は思い出すまいと堪えていたが 心の底では悲しい気持ちでいっぱいである。 【…

年暮れて岩井の水も氷とぢ 見し人影のあせも行くかな〜藤壺の中宮と源氏の君が院のご在世中の話をしておいでになった。悲しみの中の王の命婦の歌🪷

年暮れて 岩井の水も 氷とぢ 見し 人影の あせも行くかな 藤壺の中宮と源氏の君が院のご在世中の話をしておいでになった。 悲しみの中の王の命婦の歌 〜年が暮れて 岩井の水も凍りついて 見慣れていた人影も 見えなくなってゆきますこと。 【第10帖 賢木 さ…

さえわたる池の鏡のさやけさに 見なれし影を見ぬぞ悲しき〜宮の迫った実感のこもった歌に涙が溢れ、源氏は、凍った池を眺めがなら歌った❄️

さえわたる 池の鏡の さやけさに 見なれし影を 見ぬぞ悲しき 宮の迫った実感のこもった歌に涙が溢れ、 源氏は、凍った池を眺めがなら歌った❄️ 〜氷の張りつめた池が鏡のようになっているが 長年見慣れたそのお姿を見られないのが悲しい 【第10帖 賢木 さかき…

かげひろみ頼みし松や枯れにけん下葉散り行く年の暮かな〜庭の五葉が雪にしおれて下葉の枯れたのをみた藤壺の中宮の歌🪻

蔭《かげ》ひろみ 頼みし松や 枯れにけん 下葉散り行く年の暮《くれ》かな 〜木蔭が広いので頼りにしていた松の木は 枯れてしまったのだろうか その下葉が散って行く今年の暮ですね。 【第10帖 賢木 さかき】 中宮は三条の宮へお帰りになるのである。 お迎え…

行くかたをながめもやらんこの秋は逢坂山を 霧な隔てそ〜 六条御息所の返歌が来た。霧が濃くかかり身にしむ秋の空を眺めて詠んだ源氏の君の歌。

行くかたを ながめもやらん この秋は 逢坂山を 霧な隔てそ 〜あの方が行った方角を眺めていよう、 今年の秋は 逢うという逢坂山を霧よ隠さないでおくれ 【第10帖 賢木 さかき】 斎宮は十四でおありになった。 きれいな方である上に 錦繍《きんしゅう》に包ま…

鈴鹿川八十瀬の波に濡れ濡れず伊勢までたれか 思ひおこせん〜 源氏の君の送った榊に挿した手紙の返事 by 六条御息所🪷

鈴鹿川 八十瀬の波に 濡れ濡れず 伊勢までたれか 思ひおこせん 〜鈴鹿川の八十瀬の波に袖が濡れるか濡れないか 遠い伊勢に行った先まで 誰が思いおこしてくださるというのでしょうか。 【第10帖 賢木 さかき】 斎宮は十四でおありになった。 きれいな方であ…

ふりすてて今日は行くとも鈴鹿川八十瀬《やそせ》の波に袖は濡れじや〜 源氏は身にしむ思いをしながら、御息所に 榊を歌に指して送った🌿

ふりすてて今日は行くとも鈴鹿《すずか》川 八十瀬《やそせ》の波に袖は濡れじや 〜わたしを振り捨てて今日は旅立って行かれるが、 鈴鹿川の多くの瀬の波に 袖を濡らして後悔なさいませんでしょうか。 【第10帖 賢木 さかき】 斎宮は十四でおありになった。 …