2023-09-27から1日間の記事一覧
大方《おほかた》の 憂きにつけては いとへども いつかこの世を背《そむ》きはつべき 出家をした藤壺の中宮から源氏の君、東宮様に 〜世の中のの嫌なことからは離れたけれども、 子どもへの煩悩は いつになったら すっかり離れ切ることができるのでしょうか…
月のすむ 雲井をかけて したふとも このよの闇に なほや惑はん 藤壺の中宮の出家に心乱れる源氏の君の歌 〜月のように澄んだ心で御出家の境地をお慕い申しても なおも子ども(東宮さま)ゆえの この世の煩悩に迷い続けるのでしょうか。 【第10帖 賢木 さかき…
法華経はいかにして得し薪こり 菜摘み水くみ仕へてぞ得し 大僧正 行基 様のお読みになった歌 〜法華経の教えを私が得たのは何故かというに、 前世において薪を樵り、 菜を摘み、水を汲んで、 阿私仙に仕えて得たのである 【第10帖 賢木 さかき】 今日の講師…
ながらふる ほどは憂《う》けれど 行きめぐり 今日はその世に 逢ふ心地《ここち》して 桐壺院の御一周忌に藤壺の中宮に手紙を送った源氏。 その中宮のお返事の歌 〜生きながらえておりますのは辛く嫌なことですが 一周忌の今日は、 亡き桐壺院の生きておられ…
別れにし 今日《けふ》は来れども 見し人に 行き逢《あ》ふほどをいつと頼まん 〜故院にお別れ申した今日という日ががめぐって来ました。 雪は降っても その人に また行きめぐり逢える時は いつと期待できようか。 【第10帖 賢木 さかき】 中宮は院の御一周…