第11帖 花散里(はなちるさと)源氏物語
人目なく 荒れたる宿は 橘の花こそ軒の つまとなりけれ 源氏の歌にしんみりした気持ちになる女御の返歌 〜昔を思い出させる橘の香を懐かしく思って ほととぎすが花の散ったこのお邸にやって来ました。 【第11帖 花散里 はなちるさと】 「橘の 香をなつかしみ…
橘の 香をなつかしみ ほととぎす 花散る里を 訪ねてぞとふ 花散里の姉君麗景殿 れいげいでんの女御に 語りかける源氏の君 〜昔を思い出させる橘の香を 懐かしく思って ほととぎすが花の散ったこのお邸にやって来ました 【第11帖 花散里 はなちるさと】 「橘…
ほととぎす 語らふ声は それながら あなおぼつかな 五月雨《さみだれ》の空 源氏の君が一度だけ会った中川辺の女人、 源氏の歌への返歌 〜ほととぎすの声ははっきり分かりますが どのようなご用か分かりません、 五月雨の空のように 【第11帖 花散里 はなち…
をちかへり えぞ忍ばれぬ 杜鵑ホトトギス ほの語らひし 宿の垣根《かきね》に ただ一度だけ訪ねたことのある 中川辺の女人に by 源氏の君 〜昔にたちかえって 懐かしく思わずにはいられない、ほととぎすの声だ かつてわずかに契りを交わしたこの家なので 【…