第16帖 関屋(せきや)源氏物語
逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん 弟の右衛門佐(小君)にも促され 空蝉は源氏に返事を書く (源氏の君に by 空蝉の君) 〜(逢うという名の)逢坂の関は、 いったいどのような関なのでしょうか 生い茂る木々の…
わくらはに 行き逢《あ》ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ海 右衛門佐(昔の小君)を呼び出して姉の空蝉に手紙を届けさせる (空蝉の君に by 源氏の君) 〜偶然に近江路でお逢いしたことで (逢坂の関‥「あふ」という言葉に) 期待を寄せていまし…
行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん 逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥ 昔が昨日のように思われて心が乱れる (by 空蝉の君) 〜行く時も帰る時にも逢坂の関で、 せきとめがたく 流れるわたしの涙を 絶えず流れ…