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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん〜逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥昔が昨日のように思われて心が乱れる

 行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや

 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん

逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥

昔が昨日のように思われて心が乱れる

(by 空蝉の君)

〜行く時も帰る時にも逢坂の関で、

 せきとめがたく 流れるわたしの涙を

 絶えず流れる関の清水と 人は見るのでしょうか

 

【第16帖 関屋 せきや

九月の三十日であったから、

山の紅葉は濃く淡《うす》く紅を重ねた間に、

霜枯れの草の黄が混じって見渡される逢坂山の関の口から、

また さっと一度に出て来た

襖姿《あおすがた》の侍たちの旅装の厚織物や

くくり染めなどは一種の美をなしていた。

源氏の車は簾《みす》がおろされていた。

今は右衛門佐《うえもんのすけ》になっている

昔の小君《こぎみ》を近くへ呼んで、

「今日こうして関迎えをした私を姉さんは無関心にも見まいね」

などと言った。

心のうちにはいろいろな思いが浮かんで来て、

恋しい人と直接言葉がかわしたかった源氏であるが、

人目の多い場所ではどうしようもないことであった。

 

女も悲しかった。

昔が昨日のように思われて、

煩悶《はんもん》もそれに続いた煩悶がされた。

 行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや

 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん

自分のこの心持ちは

お知りにならないであろうと思うとはかなまれた。

🍂枯れ葉 written by ハヤシユウ🍂  

   

🪷源氏物語 第16帖 関屋のあらすじはこちら

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