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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

2023-01-01から1年間の記事一覧

ふるさとに 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰《たれ》か分くらん by 明石の上🪻〜住み慣れた明石を離れ、大堰の山荘で 心もとない日々過ごす明石の上

ふるさとに 見し世の友を 恋ひわびて さへづることを 誰《たれ》か分くらん by 明石の上 ふるさとの明石で 昔親しんだ人を恋い慕って弾く琴の音を 誰が分かってくれるでしょうか。 〜住み慣れた明石を離れ、 大堰の山荘で 心もとない日々過ごす明石の上 【源…

身を変へて 一人帰れる 山里に 聞きしに似たる 松風ぞ吹く by 明石の尼君🪷〜住み慣れた明石を離れ 京の大堰の山荘で娘の明石の上と はかながって暮らす尼君【第18帖 松風】

【源氏物語591 第18帖 松風15】源氏は、他から耳に入ると気まずいと思って、嵯峨野の御堂にかこつけて 紫の上に明石の君が上京したことを知らせる。 身を変へて 一人帰れる 山里に 聞きしに似たる 松風ぞ吹く by 明石の尼君 尼姿となって 一人帰ってきた山里…

いくかへり 行きかふ秋を 過ごしつつ 浮き木に乗りて われ帰るらん by 明石の上〜 父の明石入道 住みなれた明石を離れ 心もとない明石の上

【源氏物語589 第18帖 松風13】明石の裏の朝霧に 船の隔たっていくのを見る入道の心は ただ呆然としていた。一行は、無事に京に入り 目立たぬように大堰の山荘に移った。 いくかへり 行きかふ秋を 過ごしつつ 浮き木に乗りて われ帰るらん by 明石の上 〜何…

かの岸に 心寄りにし 海人舟の 背きし方に 漕ぎ帰るかな by 明石の尼君〜 思い出の多い明石を離れる つらさに泣く明石の尼君

【源氏物語589 第18帖 松風13】明石の裏の朝霧に 船の隔たっていくのを見る入道の心は ただ呆然としていた。一行は、無事に京に入り 目立たぬように大堰の山荘に移った。 かの岸に 心寄りにし 海人舟の 背きし方に 漕ぎ帰るかな by 明石の尼君 〜彼岸の浄土…

いきてまた 逢ひ見んことを いつとてか 限りも知らぬ 世をば頼まん by 明石の上 〜父の明石入道にせめて見送ってほしいと懇願する

【源氏物語586 第18帖 松風10】明石入道は落ちてくる涙を拭い隠す。尼君は信頼する夫と離れることを嘆く。明石の上は、せめて見送ってほしいと懇願する。 いきてまた 逢ひ見んことを いつとてか 限りも知らぬ 世をば頼まん by 明石の上 〜京へ行って生きて再…

もろともに 都は出で来 このたびや ひとり野中の 道に惑はむ 明石の尼君 〜信頼する夫 明石入道と離れることを嘆く 明石尼君

もろともに 都は出で来 このたびや ひとり野中の 道に惑はむ by 明石尼君 ご一緒に都を出て来ましたが、今度の旅は 一人で都へ帰る野中の道で迷うことでしょう 〜信頼する夫 明石入道と離れることを嘆く 明石尼君 【源氏物語586 第18帖 松風10】 ご一緒に都…

行く先を はるかに祈る 別れ路に 堪へぬは老いの 涙なりけり by 明石入道 〜明石の姫君たちが京に出発する日 明石入道は涙を隠しけれない🍂

行くさきを はるかに祈る 別れ路《ぢ》に たへぬは老いの 涙なりけり by 明石の入道 〜姫君の将来が幸福でありますようにと、 祈る別れに際して こらえきれず流れ続けているのは 年老いた私の涙であるよ 明石の姫君たちが京に出発する日 明石入道は涙を隠し…

しめのうちは 昔にあらぬ ここちして 神代のことも今ぞ恋しき〜儀式で使われた簪を少し折って返事を書いた斎宮女御

身こそかく しめの外《ほか》なれ そのかみの 心のうちを 忘れしもせず 朱雀院に by 斎宮女御 〜内裏の中は 昔とすっかり変わってしまった気がして 神にお仕えしていた昔のことが 今は恋しく思われます 儀式で使われた簪を少し折って返事を書いた斎宮女御 【…

身こそかく しめの外《ほか》なれ そのかみの 心のうちを 忘れしもせず〜別れの御櫛の儀式の日の美しい斎宮を忘れられぬ朱雀院

身こそかく しめの外《ほか》なれ そのかみの 心のうちを 忘れしもせず 斎宮女御に by 朱雀院 〜わが身は のように内裏の外におりますが あの時の気持ちは 今でも忘れずにおります。 別れの御櫛の儀式の日の 美しい斎宮を忘れられぬ朱雀院 【第17帖 絵合 え…

見るめこ そうらぶれぬらめ 年経にし 伊勢をの海人《あま》の名をや沈めん〜藤壺の女院は、左方の梅壺の女御(前斎宮)側の肩を持つ🪻

見るめこ そうらぶれぬらめ 年経にし 伊勢をの海人《あま》の名をや沈めん by(藤壺)女院 〜見た目は うらぶれて 古くさく見えましょうが 昔から名高い伊勢物語の名を 落としめることができましょうか 藤壺の女院は、左方の梅壺の女御(前斎宮)側の肩を持…

雲の上に 思ひのぼれる心には 千尋《ちひろ》の底もはるかにぞ見る〜右方(権中納言側)大弐の典侍の、伊勢物語に対しての意見

雲の上に 思ひのぼれる心には 千尋《ちひろ》の底もはるかにぞ見る 右方(権中納言側)大弐の典侍の、 伊勢物語に対しての意見 〜雲居の宮中に〈思い〉上った正三位の心から見ますと 伊勢物語の千尋の心も遥か下の方に見えます 【千尋→業平の噂。伊勢73】 次…

伊勢の海の 深き心をたどらずて ふりにし跡と波や消つべき〜左方〈源氏側〉平典侍(へいてんじ)が、伊勢物語について語る🌊

伊勢の海の 深き心を たどらずて ふりにし跡と 波や消つべき 左方〈源氏側〉平典侍(へいてんじ)が、 伊勢物語について語る 〜伊勢物語の(海のように) 深い心を訪ねないで 単に古い物語だからといって 価値まで落としめてよいものでしょうか 次は伊勢《い…

うきめ見し そのをりよりは 今日はまた 過ぎにし方に 帰る涙か〜つらく苦しかった離れ離れの日々、紫の上の心持ちを哀れに思った源氏

うきめ見し そのをりよりは 今日はまた 過ぎにし方に 帰る涙か つらく苦しかった離れ離れの日々、 紫の上の心持ちを哀れに思った源氏 (紫の上に by 源氏の君) 〜辛い思いをしたあの当時よりも、 今日はまた再び過去を思い出して いっそう涙が流れて来ます …

一人居《ゐ》て 眺めしよりは 海人《あま》の住む かたを書きてぞ 見るべかりける〜須磨と都‥離れ離れになっていた時に描いた源氏の絵を見た紫の上

一人居《ゐ》て 眺めしよりは 海人《あま》の住む かたを書きてぞ 見るべかりける 須磨と都‥ 離れ離れになっていた時に描いた源氏の絵を見た紫の上 (源氏の君に by 紫の上) 〜私 一人 都に残って嘆いていた時よりも、 海人が住んでいる干潟を 絵に描いてい…

別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき〜前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。

別るとてはるかに言ひしひと言《こと》も かへりて物は今ぞ悲しき 前斎宮は、別れの御櫛をいただいた時、 美しい帝が別れを惜しんでお泣きになるのをおいたわしく思った。 (朱雀院に by 前斎宮) 〜別れの御櫛をいただいた時に 仰せられた 「京(みやこ)の…

別れ路《ぢ》に 添へし小櫛をかごとにて はるけき中と 神やいさめし〜朱雀院から贈られた櫛の小箱の造花に御歌が書かれてあった。

別れ路《ぢ》に 添へし小櫛をかごとにて はるけき中と 神やいさめし 朱雀院から贈られた櫛の小箱の造花に 御歌が書かれてあった。 (前斎宮の宮に by 朱雀院) 〜あなたを伊勢にお送りした時 「都の方に帰たもうな」と 別れの御櫛を差し上げましたが、 それ…

逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん〜弟の右衛門佐(小君)にも促され 空蝉は源氏に返事を書く

逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん 弟の右衛門佐(小君)にも促され 空蝉は源氏に返事を書く (源氏の君に by 空蝉の君) 〜(逢うという名の)逢坂の関は、 いったいどのような関なのでしょうか 生い茂る木々の…

わくらはに 行き逢《あ》ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ海〜右衛門佐(昔の小君)を呼び出して姉の空蝉に手紙を届けさせる

わくらはに 行き逢《あ》ふみちを 頼みしも なほかひなしや 塩ならぬ海 右衛門佐(昔の小君)を呼び出して姉の空蝉に手紙を届けさせる (空蝉の君に by 源氏の君) 〜偶然に近江路でお逢いしたことで (逢坂の関‥「あふ」という言葉に) 期待を寄せていまし…

行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん〜逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥昔が昨日のように思われて心が乱れる

行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん 逢坂の関で源氏とすれ違った空蝉の君‥ 昔が昨日のように思われて心が乱れる (by 空蝉の君) 〜行く時も帰る時にも逢坂の関で、 せきとめがたく 流れるわたしの涙を 絶えず流れ…

年を経て待つしるしなきわが宿は 花のたよりに過ぎぬばかりか〜源氏に対し返歌をする末摘花の姫君

年を経て待つしるしなきわが宿は 花のたよりに過ぎぬばかりか 源氏に対し返歌をする末摘花の姫君 (源氏の君に by 末摘花の姫君) 〜長年待っていた甲斐のなかったわたしの宿を あなたはただ藤の花を御覧になるついでに お立ち寄りになっただけなのですね 【…

藤波《ふじなみ》の打ち過ぎがたく見えつるは まつこそ宿のしるしなりけれ〜昔に比べて高くなった松を見て 長い年月と、逆境にいた頃を思う源氏

藤波《ふじなみ》の打ち過ぎがたく見えつるは まつこそ宿のしるしなりけれ 昔に比べて高くなった松を見て 長い年月と、逆境にいた頃を思う源氏 【末摘花の姫君に by 源氏の君】 〜松にかかった藤の花を 見過ごしがたく思ったのは その松がわたしを待つという…

尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を〜末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は 蓬の露に濡れながら姫を訪ねる

尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を 末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は 蓬の露に濡れながら姫を訪ねる (by 源氏の君) 〜誰も訪ねませんが わたしこそは訪問しましょう 道もない くらい深く茂った蓬の宿の 姫君の変わらない…

亡き人を恋ふる袂《たもと》のほどなきに 荒れたる軒の雫《しづく》さへ添ふ〜うたた寝した時の夢に亡き父宮をみて、名残の思いにとらわれる末摘花の姫君

亡《な》き人を恋ふる袂《たもと》のほどなきに 荒れたる軒の雫《しづく》さへ添ふ うたた寝した時の夢に 亡き父宮をみて、 名残の思いにとらわれる末摘花の姫君 (by 末摘花) 〜亡き父上を恋い慕って泣く涙で 袂の乾く間もないのに 荒れた軒の雨水までが降…

玉かづら 絶えてもやまじ 行く道の たむけの神も かけて誓はん〜末摘花の涙に侍従は涙でものが言えないほどになっていた。

玉かづら 絶えてもやまじ 行く道の たむけの神も かけて誓はん 末摘花の涙に 侍従は涙でものが言えないほどになっていた。 (末摘花の姫君に by 侍従の君) 〜お別れしましても 私は決して お見捨て申しません 行く道々の道祖神に かたくお誓いしましょう 【…

絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら 思ひのほかに かけ離れぬる〜乳母子でもある 大切な侍従が夫と共に九州に行くと知った末摘花の姫君

絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら 思ひのほかにかけ離れぬる 乳母子でもある 大切な侍従が 夫と共に九州に行くと知った末摘花の姫君 (侍従に by 末摘花の姫君) 〜あなたを 絶えるはずのない間柄だと信頼していましたが 思いのほかに遠くへ行ってしまうの…

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に〜前斎宮〈六条御息所の娘〉は、灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった

消えがてに ふるぞ悲しき かきくらし わが身それとも 思ほえぬ世に 前斎宮〈六条御息所の娘〉は、 灰色の紙の薫香をしませたものに 目立たぬようにお返事をお書きになった (源氏の君に by 前斎宮) 〜消えそうになく生きていますのが 悲しく思われます 毎日…

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき〜霙と雪の荒れ日和に 源氏は、前斎宮の宮を気遣って手紙を送った

降り乱れ ひまなき空に 亡き人の 天《あま》がけるらん 宿ぞ悲しき 霙と雪の荒れ日和に 源氏は、 前斎宮の宮を気遣って手紙を送った (前斎宮〈六条御息所の娘〉に by 源氏の君) 〜雪や霙がしきりに降り乱れている中空を、 亡き母宮の御霊が まだ家の上を離…

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》田蓑《たみの》の 島の名には隠れず〜夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏

露けさの 昔に似たる旅衣《たびごろも》 田蓑《たみの》の 島の名には隠れず 夕方の満潮時、海辺の鶴も鳴き声を立てあう。 人目を遠慮せず会いに行きたいとさえ思う源氏 (by 源氏の君) 〜涙に濡れる旅の衣は、 昔、海浜を流浪した時と同じようだ 田蓑の島…

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん〜源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る

数ならで なにはのことも かひなきに 何みをつくし 思ひ初《そ》めけん 源氏のもとに 田蓑島での祓いのゆうにつけた 明石の上の返事が来る (源氏の君に by 明石の上) 〜とるに足らない身の上の私 何もかもあきらめておりましたのに どうして身を尽くしてま…

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな〜源氏は懐紙に歌を書き 明石の上の船に届けさせた

みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける 縁《えに》は深しな 〜身を尽くして 恋い慕っていた甲斐のあるここで めぐり逢えたとは、 宿縁は深いのですね 【第14帖 澪標 みおつくし】 源氏は懐紙に書くのであった。 みをつくし 恋ふるしるしに こ…