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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

行く先を はるかに祈る 別れ路に 堪へぬは老いの 涙なりけり by 明石入道 〜明石の姫君たちが京に出発する日 明石入道は涙を隠しけれない🍂

行くさきを はるかに祈る 別れ路《ぢ》に

たへぬは老いの 涙なりけり

by 明石の入道

〜姫君の将来が幸福でありますようにと、

 祈る別れに際して

 こらえきれず流れ続けているのは

 年老いた私の涙であるよ

明石の姫君たちが京に出発する日 明石入道は涙を隠しきれない🍂

 

【第18帖 松風 まつかぜ

行くさきを はるかに祈る 別れ路《ぢ》に

 たへぬは老いの 涙なりけり

 不謹慎だ私は」

と言って、

落ちてくる涙を拭《ぬぐ》い隠そうとした。

尼君が、京時代の左近中将の良人《おっと》に、

 

「もろともに 都は出《い》でき このたびや

 一人野中の 道に惑はん」

と言って泣くのも同情されることであった。

信頼をし合って過ぎた年月を思うと、

どうなるかわからぬ娘の愛人の心を頼みにして、

見捨てた京へ帰ることが尼君をはかなくさせるのであった。

 

明石が、

「いきてまた 逢ひ見んことを いつとてか

 限りも知らぬ 世をば頼まん

 送ってだけでもくださいませんか」

と父に頼んだが、

それは事情が許さないことであると

入道は言いながらも途中が気づかわれるふうが見えた。

 

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