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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を〜末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は 蓬の露に濡れながら姫を訪ねる

 尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく

 深き蓬の もとの心を

末摘花の誠実で純粋な心に打たれた源氏は

蓬の露に濡れながら姫を訪ねる

(by 源氏の君)

〜誰も訪ねませんが

 わたしこそは訪問しましょう

 道もない くらい深く茂った蓬の宿の

 姫君の変わらないお心を

 

【第15帖 蓬生 よもぎ

「とても中をお歩きになれないほどの露でございます。

 蓬《よもぎ》を少し払わせましてから

 おいでになりましたら」

 この惟光《これみつ》の言葉を聞いて、

 源氏は、

 尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく

 深き蓬の もとの心を

と口ずさんだが、

やはり車からすぐに下《お》りてしまった。

惟光は草の露を馬の鞭《むち》で払いながら案内した。

木の枝から散る雫《しずく》も

秋の時雨《しぐれ》のように荒く降るので、

傘《かさ》を源氏にさしかけさせた。

惟光が、

木の下露は雨にまされり

(みさぶらひ御笠《みかさ》と申せ宮城野《みやぎの》の)

 でございます

と言う。

源氏の指貫《さしぬき》の裾《すそ》はひどく濡れた。

昔でさえあるかないかであった中門などは影もなくなっている。

家の中へはいるのもむき出しな気のすることであったが、

だれも人は見ていなかった。

🌿静寂の庭 written by のる🌿

 

🌷第15帖 蓬生(よもぎう)のあらすじはこちら↓

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