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🪻源氏物語&古典blog 和歌&漢文🪻

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

あさぢふの露の宿りに君を置きて 四方《よも》の嵐《あらし》ぞしづ心なき〜源氏は紫の上に、情のこもった手紙を送る🌸 

あさぢふの露の宿りに君を置きて

四方《よも》の嵐《あらし》ぞしづ心なき

源氏は紫の上に、情のこもった手紙を送る🌸 

〜浅茅生が生い茂る露のようにはかないこの世に

 あなたを置いてきたので

 四方から吹きつける世間の激しい風を聞くにつけ

 心が落ち着きません。

 

【第10帖 賢木 さかき

幾日かを外で暮らすというようなことを

これまで経験しなかった源氏は

恋妻に手紙を何度も書いて送った。

 出家ができるかどうかと試みているのですが、

 寺の生活は寂しくて、

 心細さがつのるばかりです。

 もう少しいて

 法師たちから教えてもらうことがあるので滞留しますが、

 あなたはどうしていますか。

などと檀紙に飾り気もなく

書いてあるのが美しかった。

あさぢふの露の宿りに君を置きて

四方《よも》の嵐《あらし》ぞしづ心なき

という歌もある情のこもったものであったから

紫夫人も読んで泣いた。

返事は白い式紙《しきし》に、

風吹けば先《ま》づぞ乱るる色かはる

浅茅《あさぢ》が露にかかるささがに  

とだけ書かれてあった。

「字はますますよくなるようだ」

と独言《ひとりごと》を言って、

微笑しながらながめていた。

始終手紙や歌を書き合っている二人は、

夫人の字がまったく源氏のに似たものになっていて、

それよりも少し艶な女らしいところが添っていた。

どの点からいっても自分は教育に成功したと

源氏は思っているのである。

🌸🎼 優しく、揺れる… written by 蒲鉾さちこ

 

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