見るほどぞ しばし慰む めぐり合はん
月の都は はるかなれども
去年の秋の 藤壺の宮が思い出され声を立てて泣く源氏🪷
〜見ている間は、しばらくの間だが心慰められる。
再びめぐり逢おうと思う月の都(京の都)は、
はるか遠くではあるけれども。
【第12帖 須磨 すま】
この月を入道の宮が
「霧や隔つる」とお言いになった去年の秋が恋しく、
それからそれへと いろいろな場合の初恋人への思い出に心が動いて、
しまいには声を立てて源氏は泣いた。
「もうよほど更《ふ》けました」
と言う者があっても源氏は寝室へはいろうとしない。
見るほどぞ しばし慰む めぐり合はん
月の都は はるかなれども
その去年の同じ夜に、
なつかしい御調子で昔の話をいろいろあそばすふうが
院によく似ておいでになった帝も源氏は恋しく思い出していた。
「恩賜御衣今在此《おんしのぎょいいまここにあり》」
と口ずさみながら源氏は居間へはいった。
恩賜の御衣もそこにあるのである。
憂《う》しとのみ ひとへに物は思ほえで
左右にも 濡《ぬ》るる袖《そで》かな
とも歌われた。
❄️🎼 雪月花 written by まんぼう二等兵 ❄️
恩賜御衣今在此《おんしのぎょいいまここにあり》の漢文です。
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秋思詩篇獨斷腸
恩賜御衣今在此
捧持毎日拜餘香
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