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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

たづかなき 雲井に独り 音《ね》をぞ鳴く 翅《つばさ》並べし 友を恋ひつつ〜須磨の源氏を訪ねた宰相(葵の上の兄)別れの時の歌🌊

たづかなき 雲井に独《ひと》り音《ね》をぞ鳴く 

《つばさ》並べし 友を恋ひつつ 

須磨の源氏を訪ねた宰相(葵の上の兄)別れの時の歌🌊

〜頼りない雲居(宮中)で、

 わたしは独りで泣いています。

 かつて共に翼を並べた君を恋い慕いながら

 

【第12帖 須磨 すま

「これは形見だと思っていただきたい」

宰相も名高い品になっている笛を一つ置いて行った。

人目に立って問題になるようなことは

双方でしなかったのである。

上って来た日に帰りを急ぎ立てられる気がして、

宰相は顧みばかりしながら座を立って行くのを、

見送るために続いて立った源氏は悲しそうであった。

「いつまたお逢いすることができるでしょう。

 このまま無限にあなたが捨て置かれるようなことはありません」

と宰相は言った。

雲近く 飛びかふ鶴《たづ》も 空に見よ

 われは春日の 曇りなき身ぞ

 みずからやましいと思うことはないのですが、

 一度こうなっては、

 昔のりっぱな人でももう一度世に出た例は少ないのですから、

 私は都というものをぜひまた見たいとも願っていませんよ」

こう源氏は答えて言うのであった。

「たづかなき 雲井に独《ひと》り音《ね》をぞ鳴く 

 翅《つばさ》並べし 友を恋ひつつ

 失礼なまでお親しくさせていただいたころのことを

 もったいないことだと後悔される事が多いのですよ」

と宰相は言いつつ去った。

友情がしばらく慰めたあとの源氏はまた寂しい人になった。

🌟🎼 流星群の夜 written by ハヤシユウ🌟

 

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