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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

世に知らぬ ここちこそすれ 有明の 月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて〜「草の原をば」と言った 姫を思い浮かべながら 扇に書いた源氏の歌🌖

 

世に知らぬ ここちこそすれ 有明

月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて🌕

「草の原をば」と言った 姫を思い浮かべながら

扇に書いた源氏の歌🌖

〜今までに味わったことのない切ない気持ちがします。

 有明の月の行方を途中で見失ってしまって

 

【第8帖 花宴(はなのえん)

源氏は胸のとどろくのを覚えた。

どんな方法によって

何女《なにじょ》であるかを知ればよいか、

父の右大臣にその関係を知られて

婿としてたいそうに待遇されるようなことになって、

それでいいことかどうか。

その人の性格も何もまだよく知らないのであるから、

結婚をしてしまうのは危険である、

そうかといってこのまま関係が進展しないことにも堪えられない、

どうすればいいのかとつくづく物思いをしながら源氏は寝ていた。

姫君がどんなに寂しいことだろう、

幾日も帰らないのであるからと

かわいく二条の院の人を思いやってもいた。

 

取り替えてきた扇は

桜色の薄様を三重に張ったもので、

地の濃い所に霞《かす》んだ月が描いてあって、

下の流れにもその影が映してある。

珍しくはないが貴女《きじょ》の手に

使い馴らされた跡がなんとなく残っていた。

草の原をば と言った時の美しい様子が目から去らない源氏は、

 世に知らぬ ここちこそすれ 有明

 月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて

と扇に書いておいた。

翌朝 源氏は、左大臣家へ久しく行かないことも思われながら、

二条の院の少女が気がかりで、

寄ってなだめておいてから行こうとして自邸のほうへ帰った。

二、三日ぶりに見た最初の瞬間にも

若紫の美しくなったことが感ぜられた。

愛嬌《あいきょう》があって、

そしてまた凡人から見いだしがたい貴女らしさを多く備えていた。

理想どおりに育て上げようとする源氏の好みにあっていくようである。

教育にあたるのが男であるから、

いくぶんおとなしさが少なくなりはせぬかと思われて、

その点だけを源氏は危《あやぶ》んだ。

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