ふりにける 頭《かしら》の雪を 見る人も
劣らずぬらす 朝の袖かな
門を開ける白髪の翁を見て詠んだ歌 by 源氏の君🌨️
〜年を経て白髪になった老人の頭に 降り積もった雪を見る人‥
それに 劣らず、今朝は涙で袖を濡らすことよ。
【第6帖 末摘花】
車の通れる門はまだ開けてなかったので、
供の者が鍵《かぎ》を借りに行くと、
非常な老人《としより》の召使が出て来た。
そのあとから、娘とも孫とも見える、
子供と大人の間くらいの女が、
着物は雪との対照で あくまできたなく汚れて見えるようなのを着て、
寒そうに何か小さい物に火を入れて袖の中で持ちながらついて来た。
雪の中の門が老人の手で開《あ》かぬのを見てその娘が助けた。
なかなか開かない。
源氏の供の者が手伝ったのではじめて扉が左右に開かれた。
『ふりにける 頭《かしら》の雪を 見る人も
劣らずぬらす 朝の袖かな』
と歌い、また、
「霰雪白紛紛《さんせつはくふんぷん》、
幼者形不蔽《えうしやはかたちをおおはず》」
と吟じていたが、
白楽天のその詩の終わりの句に鼻のことが言ってあるのを思って
源氏は微笑された。
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