2023-09-03から1日間の記事一覧
ふりにける 頭《かしら》の雪を 見る人も 劣らずぬらす 朝の袖かな 門を開ける白髪の翁を見て詠んだ歌 by 源氏の君️ 〜年を経て白髪になった老人の頭に 降り積もった雪を見る人‥ それに 劣らず、今朝は涙で袖を濡らすことよ。 【第6帖 末摘花】 車の通れる門…
朝日さす 軒のたるひは 解けながら などかつららの 結ぼほるらん 初めて末摘花の顔を見た時の歌 by 源氏の君⛄️ 〜朝日がさす軒にさがった つららは溶けておりますのに、 どうしてあなたのお心は 凍ったままとけずにいるのでしょう。 【第6帖 末摘花】 何とも…
晴れぬ夜の 月待つ里を思ひやれ 同じ心に ながめせずとも (源氏への返歌に悩む末摘花の姫君のために) 乳母子の侍従の君が代作した歌 〜晴れない夜に月が出るのを待っている私のことを思い遣ってください。 あなたが同じ心で物思いに沈まないまでも 【第6帖…
夕霧の晴るる けしきもまだ見ぬに いぶせさ添ふる 宵《よひ》の雨かな☔️ 結婚したばかりの末摘花の姫君に by源氏の君✉️ 〜夕霧が晴れる気配もまだ見ないうちに鬱陶しさが さらに加わる宵の雨だなあ。 【第6帖 末摘花】 雨が降っていた。 こんな夜にちょっと…
云《い》はぬをも 云ふに勝《まさ》ると 知りながら 押しこめたるは 苦しかりけり 末摘花の姫君に by 源氏の君 〜何もおっしゃらないのは、 おっしゃる以上の思いがあるのだと知ってはおりますが、 そうして黙ってばかりいらっしゃるのは 苦しいことですよ。…
鐘つきて とぢめんことは さすがにて 答へまうきぞ かつはあやなき 源氏の君に by 末摘花の乳母子で侍従という若い女房 〜鐘をついて終了するようなことは、 そうはいってもやはり、いたしかねて… とはいえその一方でお返事もしたくないというのは、 我なが…
いくそ度《たび》 君が沈黙《しじま》に 負けぬらん 物な云《い》ひそと 云はぬ頼み 末摘花の姫君に by 源氏の君 〜これまで幾度あなたの沈黙に わたしは引き下がってきたことでしょう 。 話しかけないでくださいとまで、 おっしゃらないのを あてにしてきま…