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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

唐衣《からごろも》 君が心のつらければ 袂《たもと》はかくぞ そぼちつつのみ〜末摘花の歌🌷 もらって困惑する源氏の君😅

唐衣《からごろも》 君が心のつらければ

袂《たもと》はかくぞ そぼちつつのみ

末摘花の歌🌷 もらって困惑する源氏の君

〜 あなたの心が薄情なので、

 わたしの袂はこのように 涙で濡れ続けてばかりです。

 

【第6帖 末摘花】

常陸の宮から参ったのでございます」  

こう言って命婦は手紙を出した。

「じゃ何も君が隠さねばならぬわけもないじゃないか」  

こうは言ったが、受け取った源氏は当惑した。

もう古くて厚ぼったくなった檀紙《だんし》に

薫香《くんこう》のにおいだけはよくつけてあった。

ともかくも手紙の体《てい》はなしているのである。

歌もある。

「唐衣《からごろも》 君が心のつらければ

 袂《たもと》はかくぞ そぼちつつのみ」

何のことかと思っていると、

おおげさな包みの衣裳箱《いしょうばこ》を命婦は前へ出した。

「これがきまり悪くなくて きまりの悪いことってございませんでしょう。

 お正月のお召《めし》にというつもりで

 わざわざおつかわしになったようでございますから、

 お返しする勇気も私にございません。  

 私の所へ置いておきましても先様の志を 無視することになるでしょうから、

 とにかくお目にかけましてから

 処分をいたすことにしようと思うのでございます」

 

「君の所へ留めて置かれたらたいへんだよ。

 着物の世話をしてくれる家族もないのだからね、

 御親切をありがたく受けるよ」

とは言ったが、

もう戯談《じょうだん》も口から出なかった。

それにしてもまずい歌である。

これは自作に違いない、侍従がおれば筆を入れるところなのだが、

そのほかには先生はないのだからと思うと、

その人の歌作に苦心をする様子が想像されておかしくて、

「もったいない貴婦人と言わなければならないのかもしれない」

と言いながら源氏は微笑して手紙と贈り物の箱をながめていた。

🪷ぜひ、全文もご覧ください🪷

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