2023-09-05から1日間の記事一覧
くれなゐの 花ぞあやなく 疎《うと》まるる 梅の立枝《たちえ》は なつかしけれど 二条院で 紫の上とくつろいでいるときの源氏の君の歌 〜赤い花はわけもなく嫌な感じがする。 梅の立ち枝に咲いた花は慕わしく思われるのだけど 【第6帖 末摘花】 源氏はまた…
「逢はぬ夜を 隔つる中の衣手《ころもで》に 重ねていとど 身も沁《し》みよとや」 〜幾夜も会わずにいて隔たってしまった私たちの仲ですが、 独り寝をする衣の袖に、さらに 衣の袖を重ねて より疎遠になれとおっしゃるのですか 【第6帖 末摘花】 翌日命婦が…
くれなゐの ひとはな衣《ごろも》うすくとも ひたすら朽たす 名をし立てずば 末摘花の姫君を心配して詠んだ歌 by 大輔の命婦 〜紅色に一度染めた程度の淡い色あいの衣は色が薄いように、 君の愛情は浅いといっても、 ただ願うのは 姫君の御名を貶めるような…