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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

逢はぬ夜を 隔つる中の衣手《ころもで》に 重ねていとど 身も沁《し》みよとや〜末摘花の姫君に by 源氏の君🌺

「逢はぬ夜を 隔つる中の衣手《ころもで》に

 重ねていとど 身も沁《し》みよとや」

〜幾夜も会わずにいて隔たってしまった私たちの仲ですが、

 独り寝をする衣の袖に、さらに 衣の袖を重ねて

 より疎遠になれとおっしゃるのですか

 

【第6帖 末摘花】

翌日命婦が清涼殿に出ていると、

その台盤所《だいばんどころ》を源氏がのぞいて、

「さあ返事だよ。どうも晴れがましくて堅くなってしまったよ」

と手紙を投げた。

おおぜいいた女官たちは源氏の手紙の内容をいろいろに想像した。

「たたらめの花のごと、三笠《みかさ》の山の少女《をとめ》をば棄てて」

という歌詞を歌いながら源氏は行ってしまった。

 

また赤い花の歌であると思うと、命婦はおかしくなって笑っていた。

理由を知らない女房らは口々に、

「なぜひとり笑いをしていらっしゃるの」 と言った。

「いいえ寒い霜の朝にね、

たたらめの花のごと掻練《かいねり》好むや』という歌のように、

 赤くなった鼻を紛らすように赤い掻練を着ていたのを

 いつか見つかったのでしょう」

と大輔の命婦が言うと、

「わざわざあんな歌をお歌いになるほど 赤い鼻の人もここにはいないでしょう。

 左近《さこん》の命婦さんか 肥後《ひご》の采女《うねめ》が

 いっしょだったのでしょうか、その時は」

などと、その人たちは源氏の謎の意味に

自身らが関係のあるようにもないようにも言って騒いでいた。

命婦が持たせてよこした源氏の返書を、

常陸《ひたち》の宮では、女房が集まって大騒ぎして読んだ。

「逢はぬ夜を 隔つる中の衣手《ころもで》に

 重ねていとど 身も沁《し》みよとや」

ただ白い紙へ無造作《むぞうさ》に書いてあるのが非常に美しい。   

 

🪷ぜひ、全文もご覧ください🪷

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