🪷宮城野《みやぎの》の 露吹き結ぶ風の音《おと》に
小萩《こはぎ》が上を思ひこそやれ
〜宮城野を吹いて露を結ぶ風の音を聞くと、小萩(幼な子)のことが思い出されてならない。
桐壺帝の 母を亡くした子への気持ちが溢れて涙が出ます😢
「こういうお言葉ですが、
涙にむせ返っておいでになって、
しかも人に弱さを見せまいと御遠慮をなさらないでもない御様子がお気の毒で、
ただおおよそだけを承っただけでまいりました」
と言って、また帝のお言《こと》づてのほかの御消息を渡した。
「涙でこのごろは目も暗くなっておりますが、
過分なかたじけない仰せを光明にいたしまして」
未亡人はお文《ふみ》を拝見するのであった。
時がたてば少しは寂しさも紛れるであろうかと、
そんなことを頼みにして日を送っていても、
日がたてばたつほど悲しみの深くなるのは困ったことである。
どうしているかとばかり思いやっている小児《こども》も、
そろった両親に育てられる幸福を失ったものであるから、
子を失ったあなたに、せめてその子の代わりとして面倒を見てやってくれることを頼む。
などこまごまと書いておありになった。
宮城野《みやぎの》の露吹き結ぶ風の音《おと》に
小萩《こはぎ》が上を思ひこそやれ』
という御歌もあったが、
未亡人はわき出す涙が妨げて明らかには拝見することができなかった。
🪷ぜひ、全文もご覧ください🪷
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