🪷鈴虫の 声の限りを 尽くしても 長き夜飽かず 降る涙かな
鈴虫のように声の限りをつくして泣いても、
秋の夜長にいつはてるとも知れず、しきりにこぼれる涙であることよ。
桐壺帝きりつぼていの使いで、亡き桐壺更衣きりつぼのこういの母をみまった
靭負命婦ゆげいのみょうぶ
悲しみに沈む桐壺更衣の屋敷。
草深い庭、秋の虫の音‥
涙にくれる母君
哀しくも美しい場面です🌿
〜どちらも話すことにきりがない。
命婦《みょうぶ》は泣く泣く、
「もう非常に遅《おそ》いようですから、
復命は今晩のうちにいたしたいと存じますから」
と言って、帰る仕度《したく》をした。
落ちぎわに近い月夜の空が澄み切った中を涼しい風が吹き、
人の悲しみを促すような虫の声がするのであるから帰りにくい。
『鈴虫の 声の限りを 尽くしても 長き夜飽かず 降る涙かな』
車に乗ろうとして命婦はこんな歌を口ずさんだ。
🪷ぜひ、全文もご覧ください🪷
💠聴く古典文学📚少納言チャンネルは、聴く古典として動画を作っています。チャンネル登録お願いします🌷