寄りてこそ それかとも 見め黄昏《たそが》れに ほのぼの見つる 花の夕顔
🌸光る君へ by 夕顔の君🌸
〜近寄ってこそ誰かと判別できるでしょう。
黄昏時にぼんやりと見たのが夕顔の花であるかどうか‥
(私が光源氏かどうか、近寄ってみれば確認できますよ)
🪷第4帖 夕顔🪷
いい気になって、物馴《ものな》れた戯れをしかけたものだと思い、
下の品であろうが、
自分を光源氏と見て詠んだ歌をよこされたのに対して、
何か言わねばならぬという気がした。
というのは女性にはほだされやすい性格だからである。
懐紙《ふところがみ》に、別人のような字体で書いた。
『寄りてこそ それかとも 見め黄昏《たそが》れに ほのぼの見つる 花の夕顔』
花を折りに行った随身に持たせてやった。
夕顔の花の家の人は源氏を知らなかったが、
隣の家の主人筋らしい貴人はそれらしく思われて贈った歌に、
返事のないのにきまり悪さを感じていたところへ、
わざわざ使いに返歌を持たせてよこされたので、
またこれに対して何か言わねばならぬなどと 皆で言い合ったであろうが、
身分をわきまえないしかただと反感を持っていた随身は、
渡す物を渡しただけですぐに帰って来た。
🪷ぜひ、全文もご覧ください🪷
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