2023-09-12から1日間の記事一覧
打ち払ふ 《そで》も露けき常夏に 嵐《あらし》吹き添ふ秋も来にけり 〜床に積もる塵を払う袖も涙に濡れている常夏(私)の身の上に 荒く吹く風の吹きつける秋までもが やって来ました。 【第2帖 箒木 ははきぎ 私がひそかに情人にした女というのは、 見捨て…
咲きまじる 花は何《いづ》れと わかねども なほ常夏《とこなつ》に しくものぞなき 〜庭にいろいろ咲いている花はいずれも皆美しいが やはり常夏の花のあなたに及ぶ美しいものはない。 【第2帖 箒木 ははきぎ】 久しく訪《たず》ねて行かなかった時分に、 …
山がつの 垣《かき》は荒るとも をりをりに 哀れはかけよ 撫子の露 〜山家の垣根は荒れていても時々は かわいがってやってください撫子の花を ✳︎ 身分の低い 私のもとにおいでにならなくても構いませんが、 せめて娘(撫でていた子 ナデシコ)だけはかわいが…