2023-08-14から1日間の記事一覧
朝霧の 晴れ間も待たぬ けしきにて 花に心を とめぬとぞ見る 光る君へ by 六条御息所の女房 中将の君 〜朝霧の晴れる間さえ待たずにお帰りになられるご様子なので、 朝顔の花になどお心を止めていないのだとばかり思っていました。 さらりと源氏の誘いをかわ…
咲く花に 移るてふ名は つつめども 折らで過ぎうき 今朝の朝顔 六条御息所の女房 中将の君へ by 光る君 〜咲く花のように美しい貴女に心を移したという風評は はばかられますが、 やはり手折らずには 素通りしがたい 朝顔の花(中将の君)です。 第4帖 夕顔 …
寄りてこそ それかとも 見め黄昏《たそが》れに ほのぼの見つる 花の夕顔 光る君へ by 夕顔の君 〜近寄ってこそ誰かと判別できるでしょう。 黄昏時にぼんやりと見たのが夕顔の花であるかどうか‥ (私が光源氏かどうか、近寄ってみれば確認できますよ) 第4帖…
心あてに それかとぞ見る 白露の 光添へたる 夕顔の花 光る君へ by 夕顔の君 〜当て推量で源氏の君かと拝見します。 白露が光を添えている夕顔の花のような 美しい御顔のあの方を‥ 夕顔ゆうがお 源氏が引き受けて、 もっと祈祷《きとう》を頼むことなどを命…
『数ならぬ 伏屋《ふせや》におふる 身のうさに あるにもあらず 消ゆる帚木』 by 空蝉の君 〜物の数でもない みすぼらしい屋根の低い小さな家(伏屋)生まれという 評判が立つのがつらいですから、 あるのかないのかわからずに消えてしまう帚木のように、 貴…
帚木《ははきぎ》の心を知らで その原の 道にあやなく まどひぬるかな 〜帚木の、遠くからは見えるが近づくと消えてしまうという心を知らないで、 その原の道にわけもわからず、迷い込んでしまいました。 箒木 ははきぎ 私はもう自分が恥ずかしくってならな…