影をのみ みたらし川の つれなさに
身のうきほどぞ いとど知らるる
哀しみの中の 御息所の歌🍃
〜今日の御禊にお姿をちらりと見たばかり‥
影をうつしただけで流れ去ってしまうみたらし川のつれなさに、
我が身の不幸せがますます思い知りました。
【第9帖 葵 あおい】
源氏は御息所の来ていることなどは
少しも気がつかないのであるから、
振り返ってみるはずもない。
気の毒な御息所である。
前から評判のあったとおりに、
風流を尽くした物見車に
たくさんの女の乗り込んでいる中には、
素知らぬ顔は作りながらも
源氏の好奇心を惹《ひ》くのもあった。
微笑《ほほえみ》を見せて行くあたりには
恋人たちの車があったことと思われる。
左大臣家の車は一目で知れて、
ここは源氏もきわめてまじめな顔をして通ったのである。
行列の中の源氏の従者がこの一団の車には敬意を表して通った。
侮辱されていることを
またこれによっても御息所はいたましいほど感じた。
影をのみ みたらし川の つれなさに
身のうきほどぞ いとど知らるる
こんなことを思って、涙のこぼれるのを、
同車する人々に見られることを御息所は恥じながらも、
また常よりもいっそうきれいだった源氏の馬上の姿を
見なかったならとも思われる心があった。
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