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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

久方の 光に近き 名のみして 朝夕霧も 晴れぬ山ざと〜源氏の君 勅答の歌【18帖 松風🌿】

帝の

月のすむ 川のをちなる 里なれば

かつらのかげは のどけかるらむ

〜月が住む…澄んでいる川の向こうにあるという桂の里だから、

 月の光をゆっくり眺めることができることであろう。

これに対しての返歌になります。

 

久方の 光に近き 名のみして

朝夕霧も 晴れぬ山ざと【源氏の君 勅答の歌】

〜桂の里といえば月に近いように思われますが

 それは名ばかりで朝夕霧も晴れない山里です

 

〈18帖 松風より〉

大井の野に残った殿上役人が、

しるしだけの小鳥を萩《はぎ》の枝などへつけて

あとを追って来た。

杯がたびたび巡ったあとで

川べの逍遥《しょうよう》を危《あや》ぶまれながら

源氏は桂の院で遊び暮らした。

月がはなやかに上ってきたころから音楽の合奏が始まった。

絃楽のほうは琵琶《びわ》、

和琴《わごん》などだけで笛の上手《じょうず》が皆選ばれて

伴奏をした曲は秋にしっくり合ったもので、

感じのよいこの小合奏に川風が吹き混じっておもしろかった。

月が高く上ったころ、

清澄な世界がここに現出したような今夜の桂の院へ、

殿上人がまた四、五人連れで来た。

殿上に伺候していたのであるが、音楽の遊びがあって、

帝《みかど》が、

「今日は六日の謹慎日が済んだ日であるから、

 きっと源氏の大臣《おとど》は来るはずであるのだ、どうしたか」

と仰せられた時に、

嵯峨へ行っていることが奏されて、

それで下された一人のお使いと同行者なのである。

月のすむ 川の遠《をち》なる 里なれば

 桂の影はのどけかるらん

 うらやましいことだ」

これが蔵人弁《くろうどのべん》であるお使いが

源氏に伝えたお言葉である。

源氏はかしこまって承った。

 

清涼殿での音楽よりも、

場所のおもしろさの多く加わったここの管絃楽に

新来の人々は興味を覚えた。また杯が多く巡った。

ここには纏頭《てんとう》にする物が備えてなかったために、

源氏は大井の山荘のほうへ、

「たいそうでないの纏頭品があれば」

と言ってやった。

明石《あかし》は手もとにあった品を取りそろえて持たせて来た。

衣服箱二荷であった。

お使いの弁は早く帰るので、さっそく女装束が纏頭に出された。

久方の 光に近き 名のみして 朝夕霧も 晴れぬ山ざと

というのが源氏の勅答の歌であった。

帝の行幸を待ち奉る意があるのであろう。

「中に生《お》ひたる」

(久方の中におひたる里なれば光をのみぞ頼むべらなる)

と源氏は古歌を口ずさんだ。

源氏がまた躬恒《みつね》が

「淡路にてあはとはるかに見し月の近き今宵《こよひ》はところがらかも」

と不思議がった歌のことを言い出すと、

源氏の以前のことを思って泣く人も出てきた。

皆酔ってもいるからである。

🎼🪷autumn travel written by のる 

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