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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

あずさ弓 いるさの山に 惑うかな ほの見し月の影を見ゆると🌔〜右大臣家の藤花の宴の日、ため息をつく姫君の手をとらえて‥by 源氏の君🪻

梓弓いるさの山に惑うかな 

ほの見し月の影を見ゆると

大臣家の藤花の宴の日、

ため息をつく姫君の手をとらえて‥by 源氏の君🪻

〜月の入る いるさの山の周辺で

 うろうろと迷っています

 かすかに見かけた月の影(姫君)を

 また見ることができようかと

 

【第8帖 花宴 はなのえん

「苦しいのにしいられた酒で私は困っています。

 もったいないことですが こちらの宮様に

 はかばっていただく縁故があると思いますから」

妻戸に添った御簾の下から上半身を少し源氏は中へ入れた。

「困ります。あなた様のような尊貴な御身分の方は

 親類の縁故などをおっしゃるものではございませんでしょう」

と言う女の様子には、重々しさはないが、

ただの若い女房とは思われぬ品のよさと

美しい感じのあるのを 源氏は認めた。

 

薫物《たきもの》が煙いほどに焚《た》かれていて、

この室内に起《た》ち居《い》する女の

衣摺《きぬず》の音が

はなやかなものに思われた。

奥ゆかしいところは欠けて、

派手な現代型の贅沢さが見えるのである。

令嬢たちが見物のためにこの辺へ出ているので、

妻戸がしめられてあったものらしい。

貴女《きじょ》がこんな所へ出ているというようなことに

賛意は表されなかったが、

さすがに若い源氏としておもしろいことに思われた。

 

この中のだれを恋人と見分けてよいのかと源氏の胸はとどろいた。

「扇を取られてからき目を見る」

(高麗人《こまうど》に帯を取られてからき目を見る)

戯談《じょうだん》らしくこう言って御簾に身を寄せていた。

「変わった高麗人《こまうど》なのね」

と言う一人は無関係な令嬢なのであろう。

何も言わずに時々|溜息《ためいき》の聞こえる人のいるほうへ

源氏は寄って行って、

几帳《きちょう》越しに手をとらえて、

「あづさ弓 いるさの山に まどふかな

 ほの見し月の 影や見ゆると

 なぜでしょう

と当て推量に言うと、

その人も感情をおさえかねたか、

 心いる 方《かた》なりませば 弓張《ゆみはり》

 月なき空に 迷はましやは  

と返辞をした。

弘徽殿《こきでん》の月夜に聞いたのと同じ声である。

源氏はうれしくてならないのであるが。

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