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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

嵐《あらし》吹く 尾上《をのへ》のさくら 散らぬ間を 心とめけるほどのはかなさ🌸 源氏の君へ by 若紫の祖母 北山の尼君🪷

嵐《あらし》吹く 尾上《をのへ》のさくら 散らぬ間を

心とめけるほどのはかなさ🌸

源氏の君へ by 若紫の祖母 北山の尼君🪷

〜激しい山風が吹いて散ってしまう峰の桜に

 散らない間だけ お気持ちを寄せられたような

 頼りなさに思われます 

 

🌼第5帖 若紫🌼

源氏は翌日 北山へ手紙を送った。

僧都《そうず》へ書いたものにも女王《にょおう》の問題を

ほのめかして置かれたに違いない。

尼君のには、

「問題にしてくださいませんでしたあなた様に 気おくれがいたしまして、

 思っておりますこともことごとくは言葉に現わせませんでした。

 こう申しますだけでも並み並みでない執心のほどを

 おくみ取りくださいましたらうれしいでしょう。」

などと書いてあった。

別に小さく結んだ手紙が入れてあって、

『面《おも》かげは 身をも離れず山ざくら 心の限り とめてこしかど』

 どんな風が 私の忘れることのできない花を吹くかもしれないと思うと

 気がかりです」

内容はこうだった。

源氏の字を美しく思ったことは別として、

老人たちは手紙の包み方などにさえ感心していた。

困ってしまう。

こんな問題はどうお返事すればいいことかと尼君は当惑していた。

「あの時のお話は遠い未来のことでございましたから、

 ただ今何とも申し上げませんでもと存じておりましたのに、

 またお手紙で仰せになりましたので恐縮いたしております。

 まだ手習いの難波津《なにわづ》の歌さえも

 続けて書けない子供でございますから失礼をお許しくださいませ、

 それにいたしましても、

『嵐《あらし》吹く 尾上《をのへ》のさくら 散らぬ間を

 心とめけるほどのはかなさ』

こちらこそたよりない気がいたします。」

というのが尼君からの返事である。

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