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源氏物語&古典blog✨🪷 🌿和歌 ときどき漢文🌿

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

ほのめかす 風につけても 下荻《したをぎ》の 半《なかば》は 霜にむすぼほれつつ❄️〜軒端荻(のきばのおぎ)に by 源氏の君🌹

ほのめかす 風につけても 下荻《したをぎ》の

 半《なかば》は 霜にむすぼほれつ

軒端荻に by 源氏の君

〜それとなく分かるような風(手紙)をみるにつけても

 ほのめかしてくださることを嬉しいと思いつつも、

 霜が降りた荻の下葉のように私の心は半分しおれています。

 

【第4帖夕顔】

もう一人の女は蔵人《くろうど》少将と結婚したという噂を

源氏は聞いた。

それはおかしい、処女でない新妻を少将はどう思うだろうと、

その夫に同情もされたし、

またあの空蝉の継娘《ままむすめ》はどんな気持ちでいるのだろうと、

それも知りたさに小君を使いにして手紙を送った。

 

死ぬほど煩悶《はんもん》している私の心はわかりますか。

『ほのかにも 軒ばの荻《をぎ》を むすばずば

 露のかごとを 何にかけまし』

その手紙を枝の長い荻《おぎ》につけて、

そっと見せるようにとは言ったが、

源氏の内心では粗相《そそう》して少将に見つかった時、

妻の以前の情人の自分であることを知ったら、

その人の気持ちは慰められるであろうという高ぶった考えもあった。

 

しかし小君は少将の来ていないひまをみて

手紙の添った荻の枝を女に見せたのである。

恨めしい人ではあるが自分を思い出して情人らしい手紙を

送って来た点では憎くも女は思わなかった。

悪い歌でも早いのが取柄《とりえ》であろうと

書いて小君に返事を渡した。

『ほのめかす 風につけても 下荻《したをぎ》の

 半《なかば》は 霜にむすぼほれつつ』

下手《へた》であるのを洒落《しゃ》れた書き方で

紛らしてある字の品の悪いものだった。

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