2023-08-31から1日間の記事一覧
ほのめかす 風につけても 下荻《したをぎ》の 半《なかば》は 霜にむすぼほれつ 軒端荻に by 源氏の君 〜それとなく分かるような風(手紙)をみるにつけても ほのめかしてくださることを嬉しいと思いつつも、 霜が降りた荻の下葉のように私の心は半分しおれ…
ほのかにも 軒ばの荻《をぎ》を むすばずば 露のかごとを 何にかけまし 軒端荻に by 源氏の君 〜軒端の荻を結ぶように、あなたと関係を持ったのでなかったら、 露のようなちょっとした恨み言ですら、 どうしていうことができたでしょうか。 【第4帖 夕顔】 …
うつせみの 世はうきものと 知りにしを また言の葉に かかる命よ 空蝉の君に by 源氏の君 〜あの空蝉のようにはかない貴女との関係は、 もう望みのないものとわかっていましたのに、 また貴女のお言葉に すがらずにはおれない この命です。 【第4帖 夕顔】 …
問はぬをも などかと問はで 程ふるに いかばかりかは 思ひ乱るる 源氏の君へ by 空蝉の君 〜お見舞いできませんことを なぜかとお尋ね下さらずに 月日が過ぎるのは、私もどれほど思い乱れていることでしょう。 夫 伊予介の任地へ伴われる日が近づいてきた空…