2023-08-15から1日間の記事一覧
山の端《は》の 心も知らず 行く月は 上《うは》の空にて 影や消えなん 夕顔の君へ by 光る君 〜山の端の気持ちも知らずに、その山の端めざして傾きゆく月は、 空の中ほどで光が絶えてしまうのではないでしょうか。 第4帖 夕顔 呼び出した院の預かり役の出…
いにしへも かくやは人の 惑ひけん わがまだしらぬ しののめの道 夕顔の君へ by 光る君 〜昔もこのように 人は恋にとまどったのだろうか。 私は まだ知らなかった夜明けの道 第4帖 夕顔 呼び出した院の預かり役の出て来るまで留めてある車から、 忍ぶ草の生…
前《さき》の世の 契り知らるる 身のうさに 行く末かけて 頼みがたさよ 光る君へ by 夕顔の君 〜前世からの因縁が知られる今のこの身の辛さですから、 来世をあてにはとてもできません。 第4帖 夕顔 源氏は身にしむように思って、朝露と同じように短い命を持…
優婆塞《うばそく》が 行なふ道を しるべにて 来ん世も 深き契りたがふな 〜優婆塞《うばそく》がお勤めしている御仏の道に導かれて、 来世でも私たち二人の深い契りを違えないようにしてください 優婆塞《うばそく》とは、在家の男の仏教信者のこと。 第4帖…