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🪻源氏物語&古典blog 和歌&漢文🪻

源氏物語、枕草子をはじめ古典の中の 美しい和歌 漢文を紹介してまいります🌸

秋霧に 立ちおくれぬと 聞きしより 時雨《しぐ》るる空も いかがとぞ思ふ 〜葵の上を亡くした源氏からの手紙に対し 式部卿の宮の姫君(朝顔の姫君)は お悔やみの文を送る🍃

秋霧に 立ちおくれぬと 聞きしより

時雨《しぐ》るる空も いかがとぞ思ふ

葵の上を亡くした源氏からの手紙に対し

式部卿の宮の姫君(朝顔の姫君)は お悔やみの文を送る🍃

〜霧の立つ頃、

 貴方は、奥方様に先立たれなさったとお聞き致しました。

 それ以来 時雨の季節につけ いかほどお悲しみのことかと

 お察し申し上げます。

 

【第9帖 葵 あおい

源氏はまだつれづれさを紛らすことができなくて、

朝顔の女王へ、情味のある性質の人は

今日の自分を

哀れに思ってくれるであろうという頼みがあって手紙を書いた。

もう暗かったが使いを出したのである。

親しい交際はないが、

こんなふうに時たま手紙の来ることは

もう古くからのことで 馴れている女房は

すぐに女王へ見せた。

秋の夕べの空の色と同じ唐紙《とうし》に、

わきてこの 暮《くれ》こそ袖は 露けけれ

物思ふ秋は あまた経ぬれど

「神無月いつも時雨は降りしかど」というように。

と書いてあった。

 

ことに注意して書いたらしい源氏の字は美しかった。

これに対してもと女房たちが言い、

女王自身もそう思ったので返事は書いて出すことになった。

このごろのお寂しい御起居は想像いたしながら、

お尋ねすることもまた御遠慮されたのでございます。

秋霧に 立ちおくれぬと 聞きしより

時雨《しぐ》るる空も いかがとぞ思ふ  

とだけであった。

ほのかな書きようで、

心憎さの覚えられる手紙であった。

 

結婚したあとに以前恋人であった時よりも

相手がよく思われることは稀《まれ》なことであるが、

源氏の性癖からもまだ得られない恋人のすることは

何一つ心を惹かないものはないのである。

冷静は冷静でも

その場合場合に同情を惜しまない朝顔の女王とは

永久に友愛をかわしていく可能性があるとも源氏は思った。

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💠第九帖 葵 あおい💠 

桐壺帝が譲位し、源氏の兄の朱雀帝が即位する。

藤壺中宮の若宮が東宮となり、源氏は東宮の後見人となる。

また、六条御息所と前東宮の娘(後の秋好中宮)が斎宮となった。

 

賀茂祭の御禊(賀茂斎院が加茂川の河原で禊する)の日、

源氏も供奉のため参列する。

その姿を見ようと身分を隠して見物していた六条御息所の一行は、

同じくその当時懐妊して体調が悪く気晴らしに見物に来ていた

源氏の正妻・葵の上の一行と、

見物の場所をめぐっての車争いを起こす。

葵の上の一行の権勢にまかせた乱暴によって

六条御息所の牛車は破損、

御息所は見物人であふれる一条大路で恥をかかされてしまう。

大臣の娘で元東宮妃である御息所にとってこれは耐え難い屈辱で、

彼女は葵の上を深く恨んだ。

役目を終え、左大臣邸に行った源氏は、

事の一部始終を聞かされ驚愕。

御息所の屋敷へ謝罪に向かうが、門前払いされた。

勅使の役目を終え、久々の休日。

源氏は紫の君を伴い、賀茂祭へ。

相変わらずの混雑振りに、

惟光は牛車を停める場所を探すのに難儀していたが、

そこへ手招きする別の牛車が。

場所を譲ってくれた礼を言おうと、

顔を覗き込んだら、車の主は源典侍だった。

がっくりする源氏。

その後葵の上は、病の床についてしまう。

それは六条御息所の生霊の仕業だった。

源氏も苦しむ葵の上に付き添ったが、

看病中に御息所の生霊を目撃してしまい愕然とする。

8月の中ごろに葵の上は難産のすえ男子(夕霧)を出産するが、

数日後の秋の司召の夜に容体が急変し亡くなった。

同じ頃。御息所は、いく度髪を洗っても衣を変えても、

自身の体に染み付いた魔除けの芥子の香りが消えないことに、

愕然としていた。

女房からの知らせで、葵の上の訃報を知り、青ざめる。

 火葬と葬儀は8月20日過ぎに行われた。

葵の上の四十九日が済んだ後、

源氏は夕霧の養育を左大臣家に託した。

源氏は二条院に戻り、美しく成長した紫の君と密かに結婚する。

突然のことに紫の上は衝撃を受けて

すっかりふさぎこみ口をきこうともしなかったが、

源氏はこれを機に彼女の素性を父兵部卿宮と

世間に公表することにした。

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