2023-09-16から1日間の記事一覧
何《いづ》れぞと 露のやどりを わかむ間に 小笹《こざさ》が原に 風もこそ吹け 小笹が原は世間、風 は評判・噂を意味します 私を探さないでしょう?という 朧月夜の姫君に対して源氏の君の返歌 〜名前をうかがっていないと、 どれが 露のような はかないあな…
うき身世に やがて消えなば 尋ねても 草の原をば 訪はじとや思ふ 源氏の君に 袖をとらえられた朧月夜の姫君の歌 〜不幸せな身のまま 名前を明かさないでこの世から死んでしまったなら 名乗らなかったからといって、 あなたは 草の根を分けてでも 私を尋ねて…
深き夜の 哀れを知るも 入る月の おぼろげならぬ 契りとぞ思ふ 朧月夜に似るものぞなきと詠いながら来た女君に by 源氏の君 〜趣深い春の夜更けの情趣をご存知でいられるのも 山の端に入る月のせいでしょう 貴女と私の縁は、 前世からの浅からぬ御縁があった…
大かたに 花の姿を見ましかば つゆも心の おかれましやは 詩を披露する美しい源氏をご覧になった藤壺の宮が 思い浮かべた歌 〜純粋な気持ちで 花のように美しいお姿を拝するのであったなら 少しも気兼ねなど いらなかっただろうに。 【第8帖 花宴 はなのえん…